な組のお姫様！

視線 ページ27

Aside

今日もいつも通りの時間に家を出る。


みんなで楽しく話しながら歩いていると視線を感じた。


振り返ってみる。


誰もいない。


莉「A、どうかした？」


『ううん！なんでもないよ』


……何だったんだろう。




『じゃあね〜！』


にぃに達と別れ、莉犬達と教室へ向かって歩き出す。


……また感じる。


また振り返る。


そこにはたくさんの登校してる生徒。


まぁイケメンと歩いてたら見られるか。


ハブられるのも慣れた。


…けど、あの視線は今まで感じた事のない気持ち悪い感じがした。


それから、教室移動の時。廊下を歩いてる時。屋上に行く時……あの視線を感じた。


怖くなって早足で屋上に行く。


誰かが私を見てる。


誰が？なぜ？


………ストーカー…？


考えは怖い方向へ行き、震えてくる。


いじめに近いことはよくあったけど、ストーカーはない。


ガチャ……

よかった。まだ誰も来てない。


ドアを閉め、いつもの場所に座り、心を落ち着かせる。


『落ち着け……まだストーカーと決まった訳じゃない……落ち着け……』


こ「何が決まった訳じゃないの？」


『うひゃあ！』


こっ、ころにぃ！


聞かれた……訳ではなさそう……


『な…んでもない…よ！』


こ「……そっか。なんかあったら言ってよ？」


『うん…』


今日は……笑えなかった。


ころんside

今日もチャイムが鳴ったら弁当を持って屋上に行く。


さとみ君は先生に呼ばれたらしいから1人で行く。


いつもの癖で音を立てずにドアを開けると、少し震えて何か言ってるAが居た。


僕に気づいてないみたい。


近づくと、『落ち着け……まだ…………と決まった訳じゃない……落ち着け……』って言ってた。


……ん？聞こえなかった…


こ「何が決まった訳じゃないの？」


『うひゃあ！』


変な声w


めっちゃビックリして戸惑っている。


聞かれたくなかったのかな……？


『な…んでもない…よ！』


こ「……そっか。なんかあったら言ってよ？」


『うん…』


……いつも笑ってるAが笑ってない。


何があったの…？


Aの笑顔を奪う奴は誰だって許さない。


退助さんとの約束。


Aの幸せは僕らが守る。


…出来れば僕が幸せにしたいんだけど。



なんてね。


こ「じゃあ……弁当食べたら練習……する？」


『う……ん！もちろん！』


あぁ…もう、無理して笑わないでよ。




胸がキューって…苦しくなるじゃん。

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