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なな。 ページ7

どたんばたんと色々あったのをやり過ごすこと15分。やることが特にないのでお茶を淹れ直すとありがとうと笑顔付き(めっちゃレア)で云われたので福沢さん大好きになった。単純?何とでも云え異論は認めん。




「…………却説(さて)。御訪客して頂いたのは他でもない。あと………そうですな、5分後の来客達のもてなしのためです。太宰くんと、この隠れ家を傷付けないためにはエリスちゃんだけでは守りきれませんから。」

『!』

「其れなら構わんが………この子供は貴様の異能力ではないのか。」

「まさか。まあ勿論この子も可愛らしいですが。」





にこり。


森さんが笑ったと同時にエリスちゃんと福沢さんがさげずむような視線を向けた。ねえわたし知っているからあれだけど、福沢さんはともかくエリスちゃんにそうさせてるのは森さんだよね?

幼女趣味(ロリコン)の上に被虐性癖(マゾヒズム)………………どうしようホントに大丈夫なんだろうかこの人。





____取り敢えず。






『申し訳ありません、福沢様。余計な手数暇を掛けてしまいまして………。』

「………太宰さんと云ったか。貴殿が謝る必要は全くもって無い。」




いたたまれなさに深々と頭を下げると顔を上げなさいと優しく諭されて上を向いた。でもだってと言いたげなわたしを見つめて少し笑む。………うわ、イケメン………。



「貴殿が此のような危険きわまりない場所に来たのはこの闇医者のせいだろう。」

「酷いですねえ、免許は持っていますよ?」

「喧しい。しかも無理矢理に連れてこられたのだろう?馘元の小さな火傷は電気拳銃(スタンガン)によるものに見える。手荒な真似をして貴殿を拐ったのだから守るのは当然の義務だ。

………それに、貴殿はまだ子供だろう。」







投げ掛けてくれた言葉のひとつひとつが温かい。………きっとこんなひとに拾われていたならば、わたしを"正しく"導いてくれるのだろう。悪を断罪し、正義を貫くように教えてくれるのだろう。

けれども、わたしは、【私】は、"正しさ"の方から嫌われていなければならない。

何故ならば、わたしは。





『…………ありがとうございます』





にこりと笑ったわたしの胸中を福沢さんは知るまい。見つかる筈の無いひとの本質を骨の髄まで、欠片になっても探し、足掻くのが定めだと決まっている事など。

____行く宛のない真っ暗闇の中で、何かの答を探して何時までも泣いていなければいけない事を。

はち。→←ろく。



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Writer(プロフ) - 無さん» コメントありがとうございます、そして返信が遅れて申し訳ございません!主人公わりとのほほんなので太宰にどう被せていくか考えてるところです………上手くまとめられるように精進して行きますので宜しくお願い致します。 (2018年3月5日 2時) (レス) id: 8bb1061e6e (このIDを非表示/違反報告)
- 面白いです。主人公がこれからどう物語を動かしてくのか気になります! (2018年1月27日 0時) (レス) id: 61fbc426b8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Writer | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2017年10月22日 1時

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