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「＿＿＿＿起きてくれ給え、ご婦人」
『………は？』
真っ暗な闇。ぽつん、と浮かんだ瓦斯灯 の下で、からんと鳴るグラス。
"其処"にわたしは居た。
『此処は、何処？』
「ふふ………何処でもいいじゃないか。まア漸く私は本懐を遂げたらしいから………そうだね、【黄泉】とでも云っておこうか。」
『【黄泉】………貴方は、一体……？』
耳に響く男の声に妙に聞き覚えがあると振り返れば、包帯だらけの暗い瞳がわたしを見つめていた。闇を孕んだそれは少しだけ寂しそうで、嬉しそうで、そして憐れみを持ってわたしに注がれていた。
然して哀しいかな＿＿＿【その男】をわたしは知っている。画面越しに、紙面越しに。遭うのは初めてだけれど。
とっても申し訳無いけれど、と彼は呟いた。
「此れからは、君が太宰だ。」
『………わたしが？』
「そう。酸化した世界の中で、絶望し宛もなく闇を走る………莫迦な男の成り代わり。詰まらない道化を演じなければならなかった、私の身代わり。＿＿＿嗚呼、可哀想に。」
何処か暗い喜びを孕んだ声が、遠ざかる。
然して＿＿＿ぷつん、と糸が切れた気がした。
*****執筆状態：連載中
「＿＿＿＿起きてくれ給え、ご婦人」『………は？』
真っ暗な闇。ぽつん、と浮かんだ
"其処"にわたしは居た。
『此処は、何処？』
「ふふ………何処でもいいじゃないか。まア漸く私は本懐を遂げたらしいから………そうだね、【黄泉】とでも云っておこうか。」
『【黄泉】………貴方は、一体……？』
耳に響く男の声に妙に聞き覚えがあると振り返れば、包帯だらけの暗い瞳がわたしを見つめていた。闇を孕んだそれは少しだけ寂しそうで、嬉しそうで、そして憐れみを持ってわたしに注がれていた。
然して哀しいかな＿＿＿【その男】をわたしは知っている。画面越しに、紙面越しに。遭うのは初めてだけれど。
とっても申し訳無いけれど、と彼は呟いた。
「此れからは、君が太宰だ。」
『………わたしが？』
「そう。酸化した世界の中で、絶望し宛もなく闇を走る………莫迦な男の成り代わり。詰まらない道化を演じなければならなかった、私の身代わり。＿＿＿嗚呼、可哀想に。」
何処か暗い喜びを孕んだ声が、遠ざかる。
然して＿＿＿ぷつん、と糸が切れた気がした。
*****執筆状態：連載中
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Writer(プロフ) - 無さん» コメントありがとうございます、そして返信が遅れて申し訳ございません！主人公わりとのほほんなので太宰にどう被せていくか考えてるところです………上手くまとめられるように精進して行きますので宜しくお願い致します。 (2018年3月5日 2時) (
レス) id: 8bb1061e6e (このIDを非表示/違反報告)
無 - 面白いです。主人公がこれからどう物語を動かしてくのか気になります！ (2018年1月27日 0時) (レス) id: 61fbc426b8 (このIDを非表示/違反報告)
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