し。 ページ4
『……………で、何故こうなるのですか。』
「うん私も解らないかな。」
諦めたまえ、という憐れみの目線。身体中が包帯でぐるぐる巻きで見た目よりかは重症でない___と思いたいがそうでもないらしい___わたしの膝に金髪の可愛らしい少女が座って抱きついているのだ。謎である。
因みに怪我をしていた少年は手当てして風呂に入れ、ベッドに寝かされている。………わたしも眠たいから寝たいんだけどな。
何故こんな
目の前の白衣の男性___森鴎外さんと名乗った___がわたしの見た目を気に入ったらしいのだ。中性的な顔立ちをしている筈なのだけれど、どうやら一発で判ったそうで。抵抗されても平気な己の根城まで私たちを
"リンタロウは
笑顔でそう言い切ったのはエリス嬢。ぐさぐさと悪気の無い言葉を森さんに的確に刺していく辺り容赦がない。
実際一寸思ったけどね。えっ解るの?!こんな痩せぎすな少年だかなんだか解らないような子供がロリータだって………えっ!?みたいな感じだったけれど。
『森鴎外さん。』
「堅っ苦しいねえ。森さん、とか鴎外さんとかで良いのに。あ、因みに私の一押しは鴎外さんだよ!」
『……森さん。わたしをどうして拐かす………いえ、
「んん、残念だねえつれないねえ。其所も良いけれど。………そうだねえ君を此処に連れてきた理由、其はね。君を気に入ったからだよ!」
『………え』
「リンタロウ気持ち悪い」
にこにこと微笑む白衣の男性(推定二十代後半)。…………もしかしてこの人の守備範囲に入っちゃったのか!?ぎぎぎと強張った躰で何とか瞳だけ動かすと膝の上に抱き上げていた少女が蔑むような瞳で彼を見ていた。もしかしなくても当たりか!?
すっとその子の影に隠れるように身を縮めて森さんからじりじりと遠ざかる。その様子に気づいたのか森さんは慌てて手を振り回した。
「違うよエリスちゃん!?それと君も勘違いしないで!!?君の見た目も大変綺麗で惹かれるけれどもそこじゃないから!!!」
『………では、貴方は一体何をわたしに望むというのですか。』
じっと見つめた先。赤紫に光る瞳が電灯の下で暗い影を落とす。
「君にはね___マフィアに為って欲しいのだよ。」
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Writer(プロフ) - 無さん» コメントありがとうございます、そして返信が遅れて申し訳ございません!主人公わりとのほほんなので太宰にどう被せていくか考えてるところです………上手くまとめられるように精進して行きますので宜しくお願い致します。 (2018年3月5日 2時) (レス) id: 8bb1061e6e (このIDを非表示/違反報告)
無 - 面白いです。主人公がこれからどう物語を動かしてくのか気になります! (2018年1月27日 0時) (レス) id: 61fbc426b8 (このIDを非表示/違反報告)
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