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とお あまりひとつ、彼女の覚悟は。 ページ11

がんがんと痛む頭に眉をしかめて目を覚ます。ふっと隣を見れば既に畳まれた布団と、行ってくると書かれたメモが置いてあって目を瞬かせた。いつの間に帰ってきたんだっけ。

二日連続で二日酔いなんて、本当にろくでもない大人だ。確か昨日は透くんに会ったように思う。また迷惑をかけてしまったのだろうことは容易に想像がつくので、今度何かを奢ろうと密かに決めた。申し訳ないなあ。

立ち上がってふらふらと台所へむかうと、少し焦げた目玉焼き、焼いていないトーストがあったのできっと大くんがやってくれたのだろうと検討をつける。彼は器用だけれど、料理は少しだけ苦手なのだ。

一緒に夜ご飯を作ったときのことを思い出す。意外と砂糖と塩を間違える、だなんてベタな間違いをしたり、火力が強すぎて焦がしてしまったり。大くんも完璧じゃないんだねと可笑しげに笑った記憶がある。そのあと多少拗ねて意趣返しに深く口付けられたのをセットで思い出して、ぼふっと赤くなってしまった。彼はわたしを困らせるのがうまい。




『(___さて、始めよう。)』




買ってきた輸液パックやらシリンジやらを取りだした。全てはあと幾ばくもない来たる日のために。彼はきっと紛い物では誤魔化すことができないだろうから。くらくらとした頭で終わったそれを冷凍庫にしまいこむ。大くんに見つからないように、念入りに仕掛けをして隠して、

さあ、あとは。

携帯電話をぱかりと開き、とある人に電話する。まさかこのひとと繋がっている、だなんて知るひとは少ないだろうから好都合だ。知っているのはベルさんくらいなものだし、彼女は意外と口が固い。ベルさんと同じように、わたしはそのひととも仲が良かった。運の良いことに。



HELLO(もしもし)?」

『こんにちは。お久しぶりです、颯季です。』

「Oh,颯季ちゃん!ごめんねえ、米国(こちら)にいると連絡取りづらくて………」

『いえ。あの、実はお願いがありまして……』




なあに、何でもいってちょうだいと楽しげに言ってくれる彼女にこれこれと話すと瞬時に声が固くなる。流石だなと苦笑すると彼女は暫く黙ってOK、と呟いた。



「明日には届くわ。」

『助かります。』

「ううん、良いのよ。………ねえ、颯季ちゃん。危ないことはしないで、といったところで貴方は聞かないのでしょうけれど。………また会えるわよね?」



泣き出しそうな彼女の声。

それに小さくはい、と返した。






(約束はできないけれど)

とお あまりふたつ、彼の憂慮は。→←とお、彼の愛しかたは。



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奏音(プロフ) - 続き気になります!次の章?も楽しみにしてます☆ (2017年6月28日 23時) (レス) id: 1c9df138c6 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - Writerさん» いえいえとんでもない!! 好きな小説の作者様に見て頂けているだけでもう感無量です…!こちらこそいつも応援しています! (2017年6月28日 15時) (レス) id: e3933b8944 (このIDを非表示/違反報告)
Writer(プロフ) - 益夷 佐々羅さん» こんにちは、コメントありがとうございます(*´ω`*)申し訳ありませんが現在次作品のほうを執筆中ですので、今しばらくお待ちくださいませ。 (2017年6月28日 10時) (レス) id: 8bb1061e6e (このIDを非表示/違反報告)
Writer(プロフ) - まいちんさん» こんにちは、コメントありがとうございます(*´ω`*)申し訳ありませんが現在次作品のほうを執筆中ですので、今しばらくお待ちくださいませ。 (2017年6月28日 10時) (レス) id: 8bb1061e6e (このIDを非表示/違反報告)
Writer(プロフ) - ゆきなさん» こんにちは、コメントありがとうございます(*´ω`*)申し訳ありませんが現在次作品のほうを執筆中ですので、今しばらくお待ちくださいませ。 (2017年6月28日 10時) (レス) id: 8bb1061e6e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Writer | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2017年4月28日 21時

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