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小｜中｜大｜『………どうして気づかなかった、わたし』



ワンルームの一室。頭を抱えたわたしは静かに寝息をたてている長髪の男を見遣った。

その人をわたしはよく知っている。目の下の隈が消えないことも、微かに香る煙草の香りを覆うように付けている香水の香りも、抱き締めてくれたときの温もりも。そして、





＿＿＿愛している、と囁く彼のことばが偽りだということも。





ひどいひとでありながら優しいひとだと思う。何故って、実際のところ彼は悪くないのだ。





＿＿＿＿ずるいのは、わたしだ。





彼が偽名だと気づいたのはもう少し前のことで。彼の人はわたしのことをこれっぽっちも疑っていないのに、わたしだけが気づいてしまった、知ってはいけなかった嘘。


深酒したせいかは知らないけれど、ひどい夢を見て、ひどい気分で目覚めて。ふっと思い出したのだ。これを所謂フラッシュバックとか言うのだろうか。

まあそんな事を論じようが考えようが、知ってしまったから意味はないのだけれど。




『(前世の記憶、なんて)』





＿＿＿知らなければ、きっと。


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こんにちは、Writerです。今回は成り代わりで名探偵コナンを書いてみようと思います。
良ければご覧下さい。執筆状態：続編あり(完結)