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縁がまるで瞬間移動のようにやって来た。煉獄の遺言を聞くと泣きそうで怒ったような顔をする。縁は自分の舌を噛み切り口の中を血でいっぱいにすると煉獄の唇に己の唇を押し付ける。煉獄の心臓が止まる前に自分の血を流し込んだ。口移しだ。煉獄の額に黒い痣が現れる。炭治郎たちの息を飲む音がした。
炭治郎「兄ちゃん!一体何を!?」
縁「……炭治郎、僕はもう仲間が目の前で死ぬのは見たくないんだ。だから、僕の前で死ぬことを許せないんだ」
炭治郎はその時初めて縁の"左目"を見た。いつか見た鬼舞辻無惨のような赤。否、それ以上に赤、紅、朱。見たことの無い色だった。炭治郎とは恐怖で包まれる。こんな兄は見たことが無い。同時に炭治郎は思った。
炭治郎(兄ちゃんは何時壊れても可笑しくない所に立っているんだ。誰か一人でも欠けたら兄ちゃんは完全に壊れてしまう。何とかして支えないと!)
煉獄の傷が縁の血によって再生していく。心臓も正常に動き出したが目覚める気配がない。縁は懐から珠世に貰った薬を煉獄に一滴飲ませた。やがて血が消えたのか額の痣が消えた。
縁「今のところは大丈夫かな」
善逸が禰豆子を安全な場所に移動させてやって来た。
善逸「汽車が脱線する時……煉獄さんがいっぱい技を出しててさ車両の被害を最小限にとどめてくれたんだよな。あと、なんか黒い羽も抑えていた」
炭治郎「そうだろうな」
善逸「負けるなんてそんな……本当に上弦の鬼が来たのか?」
炭治郎「うん」
善逸「なんで来るんだよ上弦なんか……。そんなに強いの?そんなのさぁ……」
炭治郎「うん……悔しいなぁ。何か一つできるようになってもまたすぐ目の前に分厚い壁があるんだ。凄い人はもっとずっと先のところで戦っているのに俺はまだそこに行けない。こんな所でつまずいているような俺は……俺は……煉獄さんみたいになれるのかなぁ……」
伊之助「弱気なこと言ってんじゃねぇ!なれるかなれねぇかなんてくだらねぇこと言うんじゃねぇ!信じると言われたならそれに応えること以外考えるんじゃねぇ!死んだ生き物は土に還るだけなんだよ。べそべそしたって戻ってきやしねぇんだよ!悔しくても泣くんじゃねえ!どんなに惨めでも恥ずかしくても生きてかなきゃならねえんだぞ!」
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n(プロフ) - 続きをお願いします… (2020年4月17日 22時) (レス) id: 81dc700049 (このIDを非表示/違反報告)
神夜の羽織(プロフ) - ……頑張ってみます。 (2020年4月5日 23時) (レス) id: d57f708b28 (このIDを非表示/違反報告)
シバ - 続きを..........ください (2020年4月4日 14時) (レス) id: 344258cf85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神夜の羽織 | 作成日時:2020年1月25日 17時