日向正宗 ページ33
「日向くん、ここに来てもう一年は経つよね」
「必死の形相で迎えられて、岩融さんと」
「大阪・冬の陣に何度も襲撃して」
「特がついたら江戸城で何百と夜戦を経験して」
「練度が二日程で上限に達したのは忘れることが出来ないよね。」
「その時は…連れ回してごめんなさい。」
「その後は落ち着いて本丸で過ごせてるから」
「何も謝ることはないよ。」
「強くなることは武器として当然だし」
「経験を積めば、ヘマすることも減るし」
「上手く、怪我せず戦えるでしょ？」
彼の発言には思わずため息を漏らしてしまいそうだ。
ここに顕現してからの二日間、
相当戦に出してたから根に持たれてると思っていた。
「良かったぁ…怒られてないみたいで」
「うんうん、怒ってなんか…」
ここで彼の言葉は途切れる。
私と日向くんの間に
気まずい空気が流れ込む。
「……不満があったら、隠さないで言ってくれたら。私に出来ること、するけど」
「あぁいやっ、黙ってごめん。」
「怒ってないし不満でもないんだけど」
「一つ気になることがあって」
ここに来て一年も経つのに
ずっと黙っていたのだろうか。
相当なのでは？、と一層不安になる。
「この本丸の審神者は、夫婦に強く憧れているのか、刀剣男士達に“夫婦ごっこ”を通過儀礼として課せているって、聞かせられてて。」
「誰？誰から！？間違ってないけどそれは違うよ！！」
『…？、間違ってるの？』
『合ってるの？』
みたいな顔をされた。
そうだよ、間違ってないけど違うんだよ。
世の中難しいね。
「…えと、続けるね。」
「夫婦って、異性同士の人間の最後の関係って感じで、少しだけ憧れがあったんだよ。」
「ここのお仲間さんたちは結構、夫婦ごっこしたことあるみたいだし」
「もしかして、僕だけ嫌われてたり、忘れられてるんじゃないかって思ってて」
「図星、だったりする？」
綺麗な瞳が私を捉える。
逃げられない。
目力とはこのことなのだろうな。
「残念だけど夫婦ごっこは通過儀礼じゃあないんだよ、日向くん。やりたい時にやる、腕相撲のような行為なんだよ！！」
「…！ そうだったのか…！」
「そうなんだよ。折角ならする？今、私時間あるし。やる内容も、混浴とか、そんな本当の夫婦みたいなことしないし。」
「……私と一緒に、梅干しでも漬ける？」
「うん、上手くやろうか。」
旦那の方が良い顔案件は
無かったことにする。
終わり
ログインすれば
この作者の新作が読める(完全無料)
←にっかり青江
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 209人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
猫凪(プロフ) - おてぎねと日本号をリクエストします！ (2019年7月4日 0時) (
レス) id: dff153e4a1 (このIDを非表示/違反報告)
とんこつ猫(プロフ) - 璃月さん» 一年近く更新していないのに・・・() リクエストありがとうございます、了解しました！ (2018年12月26日 9時) (レス) id: 434724ccf0 (このIDを非表示/違反報告)
璃月 - 可愛くてすきです！！あと、リクエストいいでしょうか。日向正宗をお願いしたいです！ (2018年12月24日 10時) (レス) id: 32836025e5 (このIDを非表示/違反報告)
逆巻ミィ(*_-∀-_*) - とんこつ猫さん» んんー！やはりかわゆすっ！皆大好きだよー！！！(*´д`)ﾊｧﾊｧ(((殴 ごめんなさい (2017年11月25日 17時) (レス) id: f436343b97 (このIDを非表示/違反報告)
アゲハ(プロフ) - ありがとうございます！！ (2017年11月25日 16時) (レス) id: 5c06d7bed0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：とんこつ猫 | 作成日時：2017年8月15日 17時
