第１１１話 ページ15
伊東｢‥‥君達は、真選組ではないな。｣
兄上は言った。兄上は、一体何を語ろうとしているのだろう。新八君は、一体何が聞きたいのだろう。償いの言葉か、それとも謝罪なのか。
伊東｢だが、彼らとは言葉では言いがたい糸で繋がっているようだ。
友情とも違う、敵とも違う‥‥。｣
新八｢ただの腐れ縁です。｣
伊東｢‥‥そんな形の糸もあるのだな。
知らなかった。いや、知ろうとしなかっただけか。
人と繋がりたいと願いながら、自ら人との糸を断ち切ってきた。｣
兄上は語る。ぽつりぽつりと、せめてもの贖罪の言葉を紡ぎ出す。もう遅いと知ってはいても、それでも語らずにはいられないのだろう。
伊東｢ちっぽけな自尊心を守るために、本当に欲しかった物さえ見失ってしまうとは。
ようやく見つけた大切な絆さえ、自ら壊してしまうとは。
何故‥‥。何故、気づいた時には遅いんだ。何故、共に戦いたいのに立ち上がれない。何故、剣を握りたいのに腕がない。
何故、ようやく気づいたのに僕は死んでいく。
死にたくない、死ねば独りだ。どんな糸さえ届かない。
もう、独りは‥‥｣
原田｢そいつを、こちらに渡してもらおうか。｣
兄上が言い終わるのを待たず、原田さんがやって来た。いよいよ、別れの時間が迫る。別れの言葉は、いらないよ。
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薫(プロフ) - 沖田桜華さん» ありがとうございます！そうですよね！これからも頑張って更新致しますので、どうかよろしくお願いいたします！ (2018年10月20日 18時) (
レス) id: 2de80711c6 (このIDを非表示/違反報告)
沖田桜華 - とても面白いです！動乱篇は実写でも取り入れられましたし、ほんとに泣けます…続き楽しみです。 (2018年10月20日 14時) (レス) id: 98b8c85960 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：薫 x他1人 | 作成日時：2018年9月11日 13時
