噂によると雪解けするらしい (ページ47)

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◯夢の国はページ47

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『本当にいいの？』

連れてこられたのは、夢の国。

阿「行きたいって言ってたから」

覚えてくれてたこと、そして、連れてきてくれる彼に感謝だ。

『お揃い！やろ！』

阿「いいよ。何がいい？』

『あれは？』

指さしたのは、男の子と女の子のクマ耳カチューシャ。

サラッとお金払ってしまう彼に、申し訳なさが倍増。

何から何まで払ってもらっている。

『ねぇ、ご飯くらい払わせて？』

阿「いつもご飯作ってもらってるからその恩返しだと思って？」

なんて優しい笑顔で頭を撫でられてたら、何も言えない。

阿「ジェットコースター系以外がいいよね」

『あ、あれ乗ろう！今なら空いてるし』

彼の手を取り、点数を競えるアトラクションへ連れて行く。

阿「せっかくだし、点数高い方が相手の欲しいものをプレゼントとかどう？」

『良いよ！その勝負受けて立つ！』

夢の国好きとして負けられない戦いが繰り広げられる予定だったのに、阿部が案外強くてびっくり。

『え、負けた...』

阿「やった！」

欲しいものは？と聞こうとしたら、後で言うね！と先越された。

なんなん、あの人...。

降りてから繋がれた手は離されることなく、恋人繋ぎまでされていた。

阿「可愛い～」

時々現れるキャラクターたちを見ている彼。

『写真撮ってあげようか？』

阿「えー、俺は良いよ」

『じゃーあっ！』

彼の手を取り、目的地へ。

自分のカチューシャを取り、彼にも同じようにしてくれと頼む。

やりたいことがあって、それが、カチューシャでハートを作るやつ。

スマホを取り出し、写真を撮る。

阿「オシャレじゃん」

『ずっとやりたかったの！念願叶った～』

嬉しくて、マスク越しでもニヤニヤしているのがバレていると思う。

阿「これ、アイコンにしちゃう？」

『やりたいことバレてる』

阿「好きそうだなーって。期間限定で」

やる！と即答して、すぐにアイコンを変える。

変えたことを確認し、スマホをカバンにしまうとそろそろ夜ご飯たべよう！とレストランへ連れていかれた。

食事はとても楽しく、お腹いっぱいになるまで食べられて、幸せ。

まだお迎えできていなかったお人形を買い、ふと彼のお願いを聞いていないことを思い出す。

『りょへ、お願い叶えてない』

そう伝えれば、そっとキスをされた。

◇

本当に夢の国

◇