◯2人の ページ18
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Sakuma D. side
佐「みて！俺の嫁！」
『見てる見てる。いや近いのよ！
てか、視力悪くなるからやめろ！』
反応が面白いから、スマホの画面を近づけて俺の嫁を見てもらう。
ちょっと女っぽくないところが俺ら的には良くて、たまーに見せる女の子って感じの雰囲気が俺的には好き。
阿部ちゃんには、このこと言えないけど。
昔、気がついたことがあって。
それは、阿部ちゃんはAのことが好きだったってことなんだけど。
薄々だけど感じるものはあって。
例えば、阿部ちゃんのAを見つめる目が優しかったりとか。
本人には何も聞いてなかったから絶対ではないけど、ほぼ確実だろうな。
『佐久間？』
佐「ん？」
『いや、ぼーっとしてたから』
佐「嫁が可愛いからさ」
『あー、心配した私が馬鹿らしいわ』
拗ねたような言い方をして、そっぽを向いた彼女の目線の先は阿部ちゃんだった。
そういや、Aって阿部ちゃんのことどう思ってたんだろう。
恋愛事情について詮索するつもりはないけど、なんもないから気になって仕方がない。
彼氏ができたとか、好きな人がいるとか聞いたことないし、噂にもなったことないし。
俺の中である仮説は２つある。
1つ目は、阿部ちゃんのことはお兄ちゃんと思っている。
2つ目は、恋愛的な意味で思っている。
今の様子を見る限り、全くわからないけど前なら後者の方が濃厚なんだよな。
阿部ちゃんはわかりやすいのに、なんでAは読めないんだろう。
『佐久間ー、阿部が呼んでる』
佐「へ？あ、まじだ。ちょっと行ってくるわ」
『いってら〜』
そういや、不仲っていっても、2人は話さないだけだもんな。
その原因がわかれば俺たちもすぐフォローとかできんのになぁ。
阿「何話してたの？」
佐「俺の嫁の話」
ほら、こうやって未だにあべちゃんはAのこと気にしてるんだよ？
それを言葉にしないだけで。
佐「阿部ちゃんって、Aのことどう思ってるの？」
阿「大切なメンバー」
ありきたりな答えの裏に隠された真相が知りたい。
◇
架け橋になりたい
◇
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