◯思い返せば ページ17
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Watanabe S. side
渡「Aー」
『なんすか』
渡「昔話をしようと思う」
『うん。勝手にやって？』
とことんメンバーに冷たいコイツは、加入した時からそうだった。
いや、加入する前からそうだった。
周りの先輩には優しく教えてもらったり、助けてもらったのに、コイツは違った。
『ねぇ、やる気あんの？
気抜いてたら、あっという間に消されるよ』
当時は怖い先輩ってイメージ。
だけど、後から年齢を知って、ちょっとイラついた。
年下なくせに何言ってんだって。
SnowManにアイツがくると知った時、一番反対したのは俺だったし、仲良くなるのにも時間がかかった。
『渡辺翔太...。
あんたの歌声、めっちゃいいじゃん。
私は、好きだよ』
と言われた瞬間にできていた壁が少しずつ壊れていくような気がしたんだ。
お互いにプライドとかいろいろ壊せたんじゃないかな。
メンバーの助けを得ながらだけど。
そういえば、阿部ちゃんからたくさんAについて教えてもらった気がする。
阿「翔太は言い方がキツいからAもそれに負けないように言い返しちゃうんじゃないかな。
だから、もう少し優しくしてあげて？
Aは悪い子じゃないからさ」
って言われたんだっけ。
本当は俺と仲良くなりたくて、阿部ちゃんに相談していたというAの裏事情を知ったらなんか可愛いやつじゃんって思っちゃって。
『いや、なんも喋らんのかい！』
渡「なんか思い出してたら懐かしいな〜って」
『そ』
今、そっけない態度を取られても、なんとなくどんなことを思っているのかはわかる。
渡「今日空いてる？」
『ご飯ですか』
渡「田中樹ってやつもいるけど」
『田中樹がいいなら行こっかな。お酒飲みたいし』
こういう意外とフッ軽だったりするところも当時の俺は知らないんだろうな。
あと、阿部ちゃんと仲悪くなることも。
え？なんで仲悪くなったのコイツら。
◇
理由がほんとにわからない
◇
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