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このままではタソガレドキに姉共々連れて行かれてしまう伏木蔵はどうしたものかと悩んだ。しかし、どんな案が浮かんでも、雑渡に言い包められてしまう未来しか浮かばない。
ひと回り以上年上相手に口論で勝てる程、伏木蔵の口は達者ではない。よって、素直に自分の気持ちを伝えてみることにした。
「僕、行きたくないです……」
「えーなんで？ウチには伏木蔵くんが好きなスリルもサスペンスもたくさんあると思うよ？」
「……え？」
『スリルとサスペンス』。それは伏木蔵の大好物であり、いつでも探し求めているもの。それがたくさんある…だと……？
キラリと伏木蔵の目が光ったことを雑渡は見逃さなかった。
「領地は基本的には平和っちゃ平和だけど、忍軍は大体いつも戦場と隣り合わせみたいなものだ。訓練だって毎日欠かさずあるし、毎日スリルたっぷりと言っても過言ではないかな」
「おお……」
「あとウチは人数も多いから、大なり小なり毎日何かしらの事件は起こるね。モノがなくなったーとか、物資が足りないーなんていう些細なことから、機密情報が漏洩したなんていう深刻なものまでなんでもござれって感じ」
「おおー！！」
雑渡は忍術学園では経験できない、本格的な『スリルとサスペンス』の数々をつらつらと述べる。それに比例して伏木蔵の目の輝きが増していく。
「……で、ここまで聞いてもまだウチには来たくない？」
「むむむ……粉もんさんが仰ってる話が本当なら、僕はそのスリルとサスペンスを自分自身で体験してみたいです……！！」
「じゃあウチに来るって事で良いんだね？」
「お姉ちゃんも一緒ですよね？」
「もちろんだとも。さ、気が変わらない内に行こうか」
雑渡は未だ硬く目を瞑ったままのAを片手で抱え直し、空いた手で伏木蔵の手を取った。そして、したり顔で伏木蔵を見つめると大きな爆弾を落とした。
「ああ、言い忘れていたけど、ウチに来たらもう忍術学園には帰れないからね」
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焉音 - 更新待ってます (6月9日 18時) (
レス) @page20 id: 8de281d2e2 (このIDを非表示/違反報告)
平泉 - 面白い小説を書いてくださり、ありがとうございます！本当にいい作品！ (2023年3月25日 21時) (レス) @page20 id: 06de6e20e0 (このIDを非表示/違反報告)
黒糖さまでーす - え、ヤバい好きです？？？？展開がくっそ気になります。何周見てもお面白いです更新待ってまーす (2023年3月16日 13時) (レス) @page20 id: b07dd8e215 (このIDを非表示/違反報告)
えぬ。 - 初コメ失礼します！めちゃくちゃ面白くて一気読みしちゃいました……！無理しない程度で更新楽しみ頑張ってください！！ (2023年2月10日 19時) (レス) @page20 id: 80ee3c1f74 (このIDを非表示/違反報告)
Moon(プロフ) - こんにちは(*ˊᵕˋ*)コメント失礼します🙇♀️めっちゃこの物語良き過ぎます(๑•̀ㅂ•́)و✧続き楽しみにしています(*^^*)🎶 (2023年2月9日 19時) (レス) @page20 id: b2ea47ad96 (このIDを非表示/違反報告)
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