名前 ページ12
暫しの間、金髪男子はへこんでいたが、ゆっくりと私の方を見た。とっても嫌な予感がする…。
「頼むーっ‼俺と結婚してええええ!お願いだよぉおおお〜‼」
「え、え、い、嫌です‼」
「何でえええええ!?結婚してくれよおおお〜‼」
私がきっぱり断ると、金髪男子が理由を求めてきた。何でって…誰がほぼ初対面の人と結婚しようと思うのよ…。花札少年が金髪男子の服を再度握って、注意する。
「おい、もうやめろ!きっぱり嫌って言われただろう‼」
「何だよ、お前えええ‼さっきも俺の結婚の邪魔をしやがって〜‼何で邪魔するんだ!お前には関係ないだろ〜‼」
うわぁ…めっちゃなんかヤバイ人だわ、この金髪男子。私と同じく花札少年も無言だが、冷めた目で金髪男子を見ている。
「何だよ、その顔っ‼やめろーっ!何でそんな別の生き物見るような目で俺を見てんだ!?お前、責任とれよおおお!お前のせいで結婚できなかったんだから!」
コイツ、ホンと何なの…。ここまでくると逆に尊敬したくなっちゃうよ、うん。花札少年は尚も無言で金髪男子をじっと見ている。金髪男子が「何か喋れよ‼」と叫ぶ。
「……ううっ、お願いだよおおお‼君、俺と結婚してよおおお〜‼」
「嫌です!絶対に嫌っ‼」
「お願いだってば〜‼」
これじゃ埒があかない……どうしたものか。ああ、もうホンとやだ…。そう絶望した気持ちになってると、花札少年がさっきよりも強い口調で金髪男子にいう。
「だから、やめろと言っているだろう‼いい加減にしないかっ!」
「本当に何なんだよ、お前!…いいか、俺はもうすぐ死ぬ‼次の仕事でだ!俺はな!ものすごく弱いんだぜ!舐めるなよ!俺が結婚できるまでお前は俺を守れよな‼」
「俺の名は竈門炭治郎だっ!」
「そうかい、ごめんなさいねぇ‼俺は我妻善逸だよ!助けてくれよ、炭治郎ぉー!……結婚してくれよぉー!え〜と…。」
「私は、御玖音Aです。」
私は一体何を見せられてるんだろうか。っていうか、花札少年は竈門炭治郎くんで、金髪男子は我妻善逸くんっていうんだね…。
「名前教えてくれたってことは…!Aちゃん‼俺と結婚してくれるんだね!?」
「違いますっ‼」
しまった!変な誤解、させちゃった…。というか、こんなに変に前向きだと、もう怒る気力も失せたよ。我妻善逸くん…。
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作者名:小麦万希子 | 作成日時:2019年10月9日 0時