元カレとペット？【紫・黒】 (ページ18)

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ペットの反抗期ページ18

あれから2週間。

本当に
蓮は家に帰って来なくなった。

最初はほとぼりが冷めれば
何も無かったような顔をして
蓮がただいま～と帰ってくるような
そんな気がしていた。

1日目は、ご飯を用意して。
2日目は、蓮の大好物ばかりを揃えて。
3日目は、デザートまで作った。

でも、そのご飯は全て
なんの意味もなくなった。

本当に蓮は帰って来ないんだと。
現実を突きつけられた。

一人薄暗い部屋に
体育座りをして周りを見る。

蓮の脱ぎ捨てられたパジャマ。
蓮の大好きだったブランケット。
蓮の食器に蓮のマグカップに。
私の今の部屋の中は

ありとあらゆる場所に

【蓮】の居た痕跡が残っていて。

「どこにいても、
蓮がいるのに、、、
なんで近くに居ないのよ、、、」

自分でもこの涙がなにを意味
しているのかは分からない。

でも、蓮が居ない生活に
もう戻れない。

それが紛れもない事実で。

「なんで帰ってこないの、、」

私の独り言は
暗い部屋の中に沈んで消えた。

「まだいてくれるんだね～」

そう言うと甘ったるい香水の女は
俺の腕にまとわりついて満足そうに笑った。

あの日、Aちゃんも同じスタジオだと
分かっていたから帰り、一緒に帰ろうと
誘いに行こうとした。

その時に飛び込んできた2人のキスシーン。

、、、自分でも動揺するほど
心が痛くなった。

【恋】はしないはずだったのに。

この心の痛みがなんなのか。
苦しさから解放されたくて
Aちゃんの家を飛び出した。

幸い迎え入れてくれる家は
まだ全然あって。

Aちゃんの家より広くて。
美味しいご飯に暖かいお風呂に。
Aちゃんと過ごすよりも
きっといい生活なんだけど、

満足出来ない。
心が満たされない。

なんで？

「それ、好きなんだよ」

「へ？」

「だから～。
めめのその気持ちは相手の人が
好きってことでしょ？」

そう言うと目の前のラウールは
そんなことも分かんないの？
とため息をついた。

「子供の僕でも分かるよ？
めめは、その子が好きだから
他の人と居たら腹が立つし。
他の人に取られたくないって思うんだよ！」

そうラウールに言われて。
あぁ、俺はAちゃんが
いつの間にか好きになってたのか。

そう思うと途端にAちゃんに
会いたくなって。

目黒蓮今までありがとう。今日からは別の家に帰ります。

そう、今の彼女に連絡を入れた。

今日、俺は
大好きなAちゃんのところへ
帰る。そう決めた。