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「明日は絶対だめ！！」
俺の隣でラウールが
マネージャーに猛抗議してる。
「いいよ。ラウール。」
「だめ！！
だって、明日はめめ！！わかってる！？」
「仕方ねぇよ、仕事だから。」
Aがお見合いに行く日。
オフの予定が急遽仕事になった。
「どうすんの、めめ？
Aちゃんのとこ行くつもりだったんでしょ？」
「、、、俺、やっぱ恋愛とか
向いてないのかも」
自分で言ってて情けなくなる。
「今の俺は仕事を優先することしか出来ない。
スタッフさんにもメンバーにもやっぱ
迷惑かけれねぇわ」
ラウールの顔が見てらんなくて
その日は静かに家へ帰った。
「僕に出来ること」
1人机に向かって考えるけど
なかなかいい案が浮かばない。
めめはAちゃんを連れ戻そうとしてたはず。
めめのことだからきっと
真正面から行こうとしてたんだと思う。
でも、高校生の僕に何が出来る？
Aちゃんが
両親にも向こうの家族にも
迷惑をかけずに解放される方法？
「もう、分かんないよ〜、、、」
頭を抱えるけど
それが苦痛じゃないのは
めめもAちゃんも
幸せになってほしいから。
「久しぶりね、A」
「お母さん、、お父さん」
お母さんは、とっても綺麗になった。
そう言って私の頭を撫でた。
「お相手さんもう到着してるそうだ。」
俺の営業先の息子さんだ。
失礼のないようにな、と父に釘を刺される。
「気にすることないわよ。
嫌だったら嫌って言って良いからね」
お母さんはお父さんに聞こえないように
そう言うといたずらっ子みたいに笑った。
「お待たせしました」
頭をあげると目の前には
写真で見た男性。
「お写真で拝見したより
ずっとお綺麗ですね」
「ありがとうございます」
たわいもない話が続いて
お父さん達も盛り上がっている。
でも、私の頭の中は
ずっと蓮くんのことばかりで。
蓮くんより身長低いな。
蓮くんより声が高いな。
蓮くんならこんな時
可愛いって笑ってくれるのにな。
蓮くんは、、、
俺のAだって抱き締めてくれるのに。
蓮くん、蓮くん。
何度そう唱えたか分からない。
だから。
あの声が聞こえた時
心臓が止まるかと思った。
「A」
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作者名：あやぴのかやあ
| 作成日時：2021年2月14日 9時
