ミラクル【黒】 (ページ35)

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「どういうこと？」

意味が分からないって
顔で僕が聞くと

「私ね、今度お見合いするんだ～」

蓮くんには言ってないんだけどね。
なんて言うAちゃん。

「ラウールも知ってると思うけど
私もう29歳じゃん。
親がそろそろちゃんとした相手見つけろって
最近うるさくて。」

「めめじゃダメなの？」

「、、蓮くんはすごく良い人で
きっと両親も彼に会ったら
気に入ってくれると思う。」

「じゃあ、めめでいいじゃん」

「私と蓮くんが結婚するってなったら
いつになると思う？」

唐突にそう聞かれて
思わず言葉に詰まる僕。

「SnowManはどうなるの？
デビューしてやっと知名度も増えてきて
きっと今からもっともっと夢を叶えていける
そんな時に、蓮くんが結婚なんてことになったら
どうなるか、ラウールにも想像つくでしょ？」

「、、、めめにはその話しないつもりなの？」

「、、迷ってる。
でも、話したらきっと私
蓮くんから離れられなくなるから。
だから、これはラウールと
わたしだけの秘密ね」

そう言うとAちゃんは
悲しそうに笑った。

「、、僕はそんなAちゃんの
笑顔が見たいんじゃない。」

「え？」

「昨日、めめの隣で笑ってたAちゃんは
キラキラ眩しくて本当に幸せそうだった。
だから、僕も幸せで。毎日こんな風に
過ごせたらみんな幸せなのにって
本当にそう思ったのに、、、

結婚ってそんなに大事なの！？
好きな人に好きだ！って言えないくらい
そんなに大事なこと！？
僕は、、Aちゃんが好きでもない
男と結婚するために振られたの！？
僕は、Aちゃんが幸せになれるようにって
そう思ったから振られたんだ！！！」

はっと我にかえって
Aちゃんを見ると

Aちゃんは静かに泣いていた

「ラウール、、
私どうしたらいいのかな、、？」

大好きな両親も裏切れない。
そう言ってAちゃんは
泣いていた。

高校生の僕にはまだ分からない。
結婚、大人、未来のこと。

でも、好きな人と居られない未来なんて
なんの価値もないと思うから。

「Aちゃんは
自分のしたいようにすればいいよ。
ご両親に申し訳ないなって思うなら
お見合いも行っておいで？
お見合いって言ってもそれで別に
結婚が決まるわけでもないでしょ？」

僕はAちゃんは笑ってる方が
好き！！！
そう言って抱きつけば
少し瞳を潤ませながら
ありがとう。
Aちゃんはそうつぶやいた。