ミラクル【黒】 (ページ34)

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携帯のアラームが鳴って
ん～と伸びをして周りを
見渡して見慣れない景色だと気付く。

「あっ！
俺、昨日Aちゃん家
泊まったんだ、、、」

アラームは俺のものじゃないらしく。

そっと隣の部屋を覗けば

「仲良しだねぇ、本当に」

めめに寄り添いながら
眠るAちゃんが居て。

でも、不思議とそこに
嫉妬とか前まで感じてた劣等感
みたいなものは全くなくて。

「Aちゃ～ん？」

俺がそう呼ぶと寝室からパタパタ
走ってきたAちゃん。

「近くにいるって言ってくれたじゃん」

僕が拗ねたように言うと
ごめんね？といつもの優しい顔で笑った。

「めめは？もう寝たの？」

そう僕が言うとAちゃんは
少し頬を赤らめながら

「多分寝たんじゃないかな？」

なんてアタフタ。
本当に僕のお姉ちゃんは分かりやすい(笑)

僕が寝るまでそばに居てね？
と言うと、分かったといって
頭を撫でてくれたAちゃん。

「僕が寝た後、めめのとこ行ったのか」

2人をみていると
アラームに気がついたのか
めめが起き上がった。

「おはよう、めめ」

「起きてたの？眠れた？？」

欠伸をしながら聞いてくるめめは
男の俺から見ても本当かっこいい。

「おかげさまで、ぐっすり」

「あれ？なんでAここにいんの？」

「めめにね、ぴとってくっついて
幸せそうな顔で寝てたよ？」

そう言うとみるみるうちに
めめの口元が緩んでく。

Aちゃんの頭を
優しく撫でるめめは
本当に幸せそうな顔をしてた。

「え、蓮くんもう行っちゃったの」

「だって起こしてもAちゃん
なかなか起きないんだもん。
それにめめも寝かしといてあげて
って言うから。」

分かりやすく、シュンとなってる
Aちゃん。

「いつもよりぐっすり寝ちゃった、、
後で蓮くんにLINEしとく」

トボトボと歩きながら
朝ごはん作ろうと思ってたのにな
なんて寂しそうな顔してる。

「Aちゃんは、めめと
付き合わないの？」

「え？」

「僕から見たら
両想いですごくお似合いなんだけどな～
って、思ったんだけど、、、」

「ラウールだから話すね。
私、蓮くんのこと好きだよ。」

「だったら付き合えばいいのに」

「、、私がラウールくらいの
年齢だったら付き合ってたかもね」

そう言うとAちゃんは
悲しそうに笑った。