ミラクル【黒】 (ページ29)

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「とっ、、、」

「ダメ？」

俺明日休みなんだけど、、、
なんて目の前の蓮くんは
また子犬みたいな顔してる。
(私がこの顔に弱いのもう分かってる)

「でも、うち布団とか全然ないし
何にもおもてなしとか出来ないけど、、」

「Aが居たらそれだけで
俺は幸せなんだけど？」

そう言って蓮くんと視線がぶつかると
自然と抱きしめられる。

「最近仕事しんどくて、
心身共にやべぇなって思ってたんだけど
Aの顔みたら疲れも全部吹っ飛んだ。
それに、何度も言ってるけど俺は
Aを本気で大事にしたいって思ってるから。
変なことはしないって約束する。」

真っ直ぐ見つめられて
私に断る理由なんかなかった。

「着替えとか本当何も無くて
１回蓮くんお家から取ってくる？」

じゃあ、そうしようかな。
なんて蓮くんが立ち上がる。

「すぐ戻ってくるから
ちょっと待ってて」

優しく微笑んで私の頭を撫でると
蓮くんは1度自分の家へ戻った。

「、、、」

本当にびっくりするくらい
かっこよすぎる、、、
もう何回口から心臓出てきそうに
なったか。

「全てにおいて反則だよ、、」

ワンピースも蓮くんが
部屋着に気を使う女の子が好きって
言うから一通り揃えて。
いつの間にか、
彼に好かれようとしてる自分に気付く。

「早く戻ってこ～い」

そう言いながら
テレビに目線を移した。

一度家に帰って心を落ち着かせる。

「俺我慢出きっかな、、、」

ワンピース着てるのも実は言うと
グッときてるし。
普段下ろしてる髪をあげてるのにも
結構グッときてる。

いつもの部屋着に着替えて
必要であろう歯ブラシとか
一応ブランケットとかも持って
家を出た。

「ただいま～」

「おかえりなさい」

Aはエプロンを外して
ソファに座っていた。

「ブランケットも持ってきてくれたの？」

「布団とかなんもないって言ってたから」

「助かる！ありがとう」

そう言って笑うAが可愛いすぎて
危うく手が出そうになった。

「今日寒いからお風呂入れるね？」

パタパタなんて効果音を出しそうな
Aの後ろ姿を見ながら
同棲って、こんな感じなのかな。
とか1人で妄想する。

やべぇ、また口元ニヤける。

お風呂掃除の終わったAが
パタパタと戻ってきて
ストンと俺の隣に座る。

さっきまで普通に話してたのに
泊まるってことを意識した途端

普通に話せなくて。

「あ、あの、、」

切り出したのはAだった。