ミラクル【黒】 (ページ20)

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「あれ？」

「あ！こんにちは！」

マンションの前に着くと
ラウールくんがオートロックの前で
立って待っていた。

「どうしたの？」

「めめに会いに来たんだけど
まだ仕事が終わってないみたいで
ここで待ってるように言われて」

「そうなんだ、、
まだかかりそうですか？」

「うん～、
LINEもまだ既読つかなくて」

時計を見てもうすぐ日も沈むから
絶対寒くなるよな、、なんて考える。

「良かったら、目黒くん帰ってくるまで
家で待ってる？」

「えっ！？いいの！？」

目をキラキラ輝かせて
やったー！なんて喜んでる。

「そんなおもてなしは出来ないから
期待しないでね？」

「寒さを凌げるってだけで
もう僕幸せだよ～！」

めちゃくちゃ寒かったの！
と体を縮こませてるから
本当に寒かったんだろうなと思った。

「お邪魔しま～す」

「ラウールくんコーヒー飲める？
ココアとかの方がいい？？」

「あ、ココアが良い～」

「クッキーとか食べる？」

「食べる！！！」

「ねぇ、僕コレ見たい！！」

ラウールくんがDVDを手に取り
また目をキラキラ輝かせてる。

「いいよ、それ見よっか」

ラウールくんが相手だと
弟みたいで自然と隣に座って、
映画を見ていると仲良くなっていた。

「やっぱりこの映画おもしろいね～！」

ん～！！！っと伸びをすると
子供みたいにラウールくんは欠伸をした。

「途中眠くなってたでしょ？」

そう聞くと

「バレてた？？(笑)」

だって暖かくて心地いいんだもん。
なんてラウールくんは私の肩に
もたれかかってきた。

「あ、そういえば目黒くんは？」

「、、あぁ～、、、
実はね、あれ嘘なんだ。」

「え～？」

「Aさんに会いたくて、
Aさんのこと待ってた」

嘘ついてごめんね。
なんて大きなラウールくんの目が
私を見つめる。

え、、なにこれ。
また私の脳内小人たちが
自惚れるな！自惚れるな！
と私の頭をキックしてる。

「なんか、めめと仲良さげだったから
俺も負けてらんないなぁって。」

またこうして逢いに来てもいい？
なんて上目遣いで聞かれるから
返答に困っていると

～ピーンポーン～

「来ちゃったか、、」

そう言うとラウールくんは
パッと立ち上がって
また来るね？と私の頭を撫でた。

ラウールくんが玄関の扉を開けると
息を切らした目黒くんが居た。