ミラクル【黒】 (ページ14)

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「まっ、、またそういうこと言う～」

視線を逸らしてその場から逃げようとしたけど
目黒くんに手首を捕まえられて
逃げられない。

「なんで逃げんの？」

「逃げてるわけじゃ、、」

「俺さ、本気だよ？」

思わず視線を合わせると
目黒くんは相変わらず真っ直ぐ
私を見つめていた。

「本気でAちゃんのこと好き。」

「で、、でもまだ私目黒くんのこと
なんにも知らないし、それに
6つも年上のおばさんだよ？
目黒くんにはもっと若くて可愛い子が
ふ、、相応しいと思う」

絞り出した声は自分でも
びっくりするくらい小さかった。

「Aちゃんのことおばさんなんて
思ったことはないし、俺はいつだって
好きなものは好きって言いたい性格だから。
困らせてたらごめん」

そう言って手首を解放すると
目黒くんはコーヒーを飲んだ。

「、、、まだわかんないの」

「ん？」

「大好きでいつもテレビとか雑誌でしか
見たことのなかった目黒蓮が私を好きで
私を友達だって言ってくれて。
嬉しい反面、戸惑いの方が大きくて
自分でも整理が出来てないの」

これが私の今の素直な気持ちだった。

「じゃあ、これ以上困らせるようなことは
しないし、今はいち友達、隣人として
Aちゃんとは仲良くしたい。」

ダメかな？
なんて私の頭を撫でながら言うもんだから
ダメなんて言えるはずもなくて。

「ダメ、、じゃないです。」

「ただこれは覚えといて？
俺はAちゃんを本気で好きだし
これからも毎日Aちゃんが俺を
好きになってくれるようにアプローチする。
でも、それが困らせるようなことなんだったら
ちゃんと嫌だって言って。
迷惑だって。そしたら俺も諦める。」

迷惑はかけたくないから。
そう言うと目黒くんは
コーヒーを飲み干した。

「あ～あと、人前であんま
お酒は飲まないで。
Aちゃん酒癖悪いから」

「わっ、、悪くないし！！
あれはその色々事情があったからで！」

「酔ってる時のAちゃんは
いつもに増してガード緩くなるから
俺の前以外で飲むの禁止ね」

そう言ってそろそろ帰るわ。
と立ち上がった目黒くん。

「明日も仕事でしょ？
無理しないでね」

そう言うと私の頭を撫でる目黒くん。

「お菓子も告白も、、その、、
色々ありがとう。目黒くん。」

「蓮。」

「え？」

「次に会う時は蓮って呼ぶ練習しといて」

楽しみにしてる。
そう言って目黒くんは
隣の自分の部屋へと帰って行った。