すれちがい【あほの坂田】

5日 ページ13

坂田side





今日もAのところへ行った。





うらさん達も来たいと言っていたが、みんな用事があるらしく、




用事が済んだら後で合流するらしい。





Aは





今までなら俺の姿を見ると笑って迎えてくれてたのに、






今日は無表情のまま遠くの方を見つめていた。







昨日Aが言ってたことを改めて実感する。







分かっていても、やっぱり胸がキュッと締め付けられるように感じた。






坂「A！来たで！！」




少し笑って



A「……………さかたん」




と言うA。



でも、笑顔は少しぎこちない。





俺は自分のポケットの中を探って目当てのものを取り出す。






坂「ハイ！



これあげる！！」





そう言ってAに渡したのは



丘に行く途中にある雑貨屋さんで買ったネックレス。




Aが会った時から、昨日までずっと大切そうにしていたものだ。




雑貨屋さんでこれを見つけて、もしもAが今日もつけていたら、






おそろいだと思って自分がつけようと思っていたけど





Aはネックレスをつけていなくて俺がプレゼントしたやつやったんやな…って




思うと嬉しくなった。




そのネックレスには桜の形があしらわれていて、



赤い石が飾られていた。






Aはしばらくポカーンとしていて、





A「これ、私に？




……いいの？」



なんて聞いてきて。




あまり、気に入らんかったのにつけてくれていたのかな…と思った。




坂「ごめんな、気に入らんかったら別に返してもらってええよ？」




そう言って謝ると、




すごい勢いで頭を横に振るA。



え？急にどうしたん！？




A「ううん！


すごく綺麗！！！



これ今つけてもいい？」






と、パァーっと笑顔になった。




坂「もちろん！ええよ！！」





ネックレスをつけようとするも、苦戦するA。




そんな姿もかわいいなんて思ってしまう。






坂「貸して？

俺がつけるよ。」



A「え！？
あ、ありがとう………」




…………………。





何やってんだよ！俺！！




めっちゃ恥ずかしいけど、少し嬉しい気もする。




心做しかAの顔も赤くなってる気がした。

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