32.ボーダーラインの向こう側(15) ページ38
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「今日から開久に警察の警備がついたって。しばらくは派手な動きはできないと思うよ」
だからAちゃんも安心して? と理子ちゃん。
三橋君はその報告にご満悦なようで、ざまぁみろと満面の笑みを浮かべている。
伊藤君と二人で話し始めたのを余所に、「そうそう」と理子ちゃんが私を見た。
「そういえば三ちゃんから聞いたわ」
「うん?」
「Aちゃん、私たちと一緒なら外に出られるかもって」
「ああ……。うん、自分ではいまいち仕組みがよく分かってないんだけど。三人の傍にいるのが条件みたい」
一定距離離れると相手のいる方に引っ張られることだとか、伊藤君の推測からその対象は少なくとも三橋君と伊藤君の二人、そしておそらく理子ちゃんも含まれるだろうことだとか。
「その一定距離よりもさらに離れたらどうなるのかしら……」
「うーん、その辺は実際やってみないとなんとも……。引っ張られるって言っても頑張れば抵抗できなくはなさそうだったかな」
この辺りのことは要検証である。
「なんにせよ、行動範囲が広がったってことはできることが増えたってことだもんね。それはすごく嬉しい」
「Aちゃん……。そうね、っていうことは二人でウィンドウショッピングとかもできるのかな!」
「ウィンドウショッピング! いいな、行きたい!」
盛り上がった私たちは、さっそく放課後の予定を立てていく。
そんな二人に気付いた三橋君と伊藤君が話に乱入してくるのは、もう少し後のことだった。
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玉屋(プロフ) - 匿名さん» ありがとうございます、励みになります! (2019年3月2日 10時) (レス) id: 038d2716d2 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 更新、楽しみにしています! (2019年3月2日 2時) (レス) id: fd73c1c988 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:玉屋 | 作成日時:2019年2月5日 9時