悪魔が71人 ページ25
髪を解いてとき、
自分では三つ編みに出来ないことに気付いた
昔は不器用な母さんに変わり、
いつもは俺が代わりにしている事に気付いた
『あの、バラム先生の髪を、
ちょっと編んでもいいですか？』
少し悪戯心が湧いて、いじりたくなった
「ヴィダ君…その…
キミの手、冷たくて…凄く、気持ちいい…」
『そうですか？
俺が先生に触れるのって、稀ですね』
「うん
こんな事してくれて…僕、嬉しいよ」
『よかったです
俺も、誰かにするのは初めてなので…』
「そっそうなの？
その、初めてが僕で、よかったのかなァ
初めてとは思えないくらい、きっと上手だよ
だって、こんなに気持ちいいもの」
『先生、あまり動かさないでください…』
「う、うん。ごめん、つい…」
ポニーテールは思いの外、
可愛くというより凛々しくカッコよく仕上げられた
『あっダメ
少し待って下さい、イイ！とてもイイ！
素敵ですよバラム先生ッ』
「そっそう？
初めてでよく分からないけど、ありがとう
ヴィダ君が喜んでくれて嬉しいな」
バラム先生ら照れた様にガシガシと頭を掻くから、
折角の髪型が台無しになってしまった
『ああ、もう
それじゃあダメです』
掻く腕を掴んだところで、扉が開くのと同時
「貴様らッ何をやっているんだ！
ココをどこだと思って…！」
カルエゴ先生の声に固まる
先生は頭を押さえ、顔を逸らして怒鳴っている
「いくらシチロウでも俺の生徒に手を出…！」
「カルエゴ君どうしたの？
ねぇ見て見てッ
僕のコレ、どうかなァ？
ヴィダ君がしてくれて凄く褒めてくれたんだ」
「どんな趣味だ貴様！！」
「えっ
変かなァ、この髪型」
「……髪？」
コチラを見たカルエゴ先生と目が合う
俺を見て目を見開いた先生は、何故か耳まで赤くし
「知るか！
クソッ紛らわしい事しやがって！」
怒鳴り散らして行った
『頭を押さえて、頭痛ですかね？』
「いや、そうじゃないと思うよ
怒鳴っちゃったのかも…
彼、凄い癖毛だって気にしてるみたいだから」
『そうなんですか？』
「うん、水に濡れたらもっとくるくるだよ」
新たな事実が知れた
俺は新しい事実に嬉しくなった
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作者名：まっしろ | 作成日時：2021年2月6日 19時
