【終わセラ】最年長少年は、狙われ続ける_３【男主】 (ページ4)

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第３７話ページ4

【 Aside 】

与一「僕、帝鬼軍が渋谷に保護してくれてから外出るの初めてだけど、ここまでとは...」

道にいくつも散らばっている小石を爪先で蹴る。ずっと蹴り続けていると小石は陥没した地面の穴に落ち虚しげな音を響かせた。この道も元はコンクリートだったのだろうが、今は完全に砂利道と化している。

与一「優くんと君月くんとAくんは普通科に来る前は渋谷警備兵として外出てたんだよね？」

優「あぁ、まぁな」

「優の所為で謹慎になったんだけどな」

優「いつまでその話引きずってんだよ！もう忘れろよ！」

顔を真っ赤にして刀を俺に突き付ける優。

「ちょっとー危ないだろー」

優「だああ！くそ！笑顔で避けてんじゃねぇ！ムカつくな！」

優は何度も何度も斬りかかって来るが、俺が１回１回避ける度に顔が更に赤くなっていく。

三葉「お、おい！あいつ本気で...！大丈夫なのか！？」

シノア「あははー大丈夫ですよー。やらせておけば良いんですよー」

優「くそ！まだAには敵わねぇのかよ！こうなったら...力を貸せ！阿朱羅丸！」

優が鬼の名を読んだ瞬間、顔の頬に薄紫色の渦模様が浮かび上がる。これは鬼を使役している時の特徴と言っていいだろう。つまり優は今から俺を殺す勢いでやってくる。

与一「ゆ、優くん！さすがにやり過ぎじゃ...！」

優「うるせぇ！Aはな！俺と警備兵やってた時...ヨハネの四騎士を〝素手〟でやってたんだよ！」

三葉「なっ...！素手...！？」

シノア「実際、先日学校を襲った吸血鬼も殴ってねじ伏せてましたからね」

優「よっしゃ！これでAに_____」

勝てる！と優が言おうとした時、俺と優の間を何食わぬ顔で過ぎ去って行く人物がいた。

君月「おい馬鹿２人、原宿駅着いたぞ」

「...うい」

優「...おう」

士方の冷めた目線が心に刺さり、萎れる俺と優。気付けば優の頬に浮かび上がっていた薄紫色の渦模様もすっかり消えていた。

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