第49話 ページ16
【 Aside 】
優「着いたぞ、新宿...」
シノア隊一同は豪壮に佇む防御壁を見上げた。原宿から新宿までの道のりで大分いざこざがあったが、無事に新宿まで来られた。
...本当に良かった。色々な意味で。
俺は胸板を軽く叩き、数回深呼吸を繰り返した後、
優「行くぞ!」
先行く優の後に続いた。
*
防御壁の内側に入ると、そこは騒々しい音で溢れかえっていた。
_緊急警報!緊急警報!吸血鬼達の襲撃がありました!
有線放送のスピーカーから大音量で流れる警報を耳の穴を掻きながら聞いていると、
優「どうなってる?」
シノア「...言葉通りでしょう」
黒煙が立ち込める空を仰ぎながら、シノアは言った。
シノア「吸血鬼達が攻めてきた...」
_兵士の皆さんは西へ!吸血鬼が大挙して押し寄せてきています!渋谷本隊が合流するまで...
けたたましく流れ続ける警報音を聞き、民間人は叫び避難する。蒼白な顔で走って行く人々の顔を横目で見つつ、視線を上に向けると、
「ヘリで来たのかよ...」
低空を維持したまま、飛び続ける吸血鬼の航空機が目に入った。
優「で、俺達の部隊はどう動くんだ?」
シノア「私達は吸血鬼殲滅部隊ですよ?もちろん吸血鬼が出てきたのなら...」
当たり前だと言わんばかりに、シノアは真顔で言った。
シノア「前線です」
*
シノア隊が新宿に到着した同時刻、ミカエラは廃車の上で膝を立て座っていた。隣には第七位始祖、フェリド・パートリーの姿も確認できた。
フェ「ところでミカ君、君は血を吸わなくていいんですか?」
フェリドは地面を見下ろしたまま言った。そこには虫のように民間人に群がり、血を啜る吸血鬼達の姿があった。
ミカ「...うるさい、お前には関係ない」
フェ「でーも、戦時中の今飲まないと吸血鬼の街では法に縛られて、直接人間の血を飲めませんよー?」
ミカエラは自分の過去を思い出しながら鼻で笑った。
ミカ「お前は法を守らず、僕の血を飲んでいたじゃないか。フェリド・パートリー」
フェ「はは、人聞きの悪いこと言わないでよ。ミカ君。君の方から飲んでと言ってきたんでしょう?」
ミカ「僕はお前の道楽で、家族を見殺しにされた」
ミカエラは強くフェリドを睨んだが、
フェ「あーらら、吸血鬼になった今もまだそんな古いことを怒ってるんですかぁ?」
_
350人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
yuukyan(プロフ) - 早く続きが見たぁーい!!! (2020年1月21日 10時) (レス) id: b5dcd30fc2 (このIDを非表示/違反報告)
あ - 速く続き (2019年5月30日 20時) (レス) id: 9b4517b80c (このIDを非表示/違反報告)
、 - オリジナルフラグ外して下さい (2018年2月7日 7時) (レス) id: a495531ba2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:変なおっさん x他1人 | 作成日時:2018年2月7日 3時