38 思い出す ページ41
エイトフットside
俺は、気がついたら深海に居た。
「ジョー!」
今まで顔に霧がかかっていたようで思い出せなかった顔が、そこにはあった。
とても美しく、愛らしい愛しい彼女の顔が。
エイトフット「お前は本当に甘えん坊だな。ほら、こっち来い」
「ふふ、安心する」
エイトフット「魔女の手下に抱き締められて安心するとは、お前も変わってるな」
彼女を抱き締め、仲睦まじく過ごす二人。
懐かしい。
今度は、二人はベッドに横たわっていた。
キスを交わし、二人を繋ぐ透明の糸が府陰気を盛り上げている。
「ジョー......」
エイトフット「A、愛してる....んっ.....」
愛し合う二人。
彼女を傷つけないように腫れ物を触るように愛する男......俺がどれだけ彼女を好きなのかが伝わってきた。
今度は、楽しげに歌う彼女。
その楽しげな歌声と姿に、目を奪われた。
「るりら、るりら」
エイトフット「すげぇうまいな。聞いてて癒される」
「嬉しい!なら私、ジョーのためにいーっぱい歌っちゃう!」
褒めると、子供みたいにはしゃぐ彼女。
今度は、さっきとは違う悲しげな府陰気の彼女がいた。
「今まで、ありがとう。もしも生まれ変われるならばその時はまた遊んでね。」
そう言い残し消えていく彼女。
待って。行かないでくれ。頼む。
もっと、歌を聞かせてくれ。
もっと、俺に笑いかけてくれ。
まだ、お前に伝えたいことが山ほどあるんだよ──────
エイトフット「A.......?」
全部、思い出した。
Aが、一体誰なのか。
Aが、なぜあんなに悲しそうな笑みを浮かべていたのか。
エイトフット「俺は.......最低だ.......!」
あいつに謝らないと......
そう思いベッドから抜け出そうとすると、向こうからヴェールの泣き叫ぶ声が聞こえてきた。
隣で眠っていたスキャターも目を覚まし、ただ事ではないことをお互い悟った。
スキャター「ジョーさん....今のって.....」
エイトフット「嫌な予感がする.....Aに.....なんかあったのか......!?」
Aの部屋に行く頃には、他の奴らは全員集まっていた。
エイトフット「何があったんだ?」
ダルメシア「Aが....」
そこにあったのは、彼女が書いたとされる手紙だった。
震えた字で、水滴で濡れた痕跡のある手紙が。
エイトフット「そんな.......」
俺って、ほんとバカ。
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ももか(プロフ) - 感情移入してしまいとても辛く涙が出ました。 (2022年10月20日 22時) (レス) @page50 id: f3e8da423f (このIDを非表示/違反報告)
壱加(プロフ) - 机の上の靴さん» コメントありがとうございます!最後はちゃんと笑顔で終わるっぽいので今のうちに泣いてください(((( (2020年5月28日 18時) (レス) id: 26cd84f321 (このIDを非表示/違反報告)
机の上の靴(プロフ) - いよいよ終わりが近づいてる気が...!!! なんか悲しいラストを迎えそうですね( ; ; )最後まで楽しみにしてます!! (2020年5月28日 18時) (レス) id: da06bfb863 (このIDを非表示/違反報告)
壱加(プロフ) - あんかけさん» コメントありがとうございます!一応今のところブラックですが最後はちゃんと笑顔で終われるよう頑張ります!もう少しの辛抱です! (2020年5月28日 18時) (レス) id: 26cd84f321 (このIDを非表示/違反報告)
あんかけ(プロフ) - 突然すみません( ; ; )このお話はハッピーエンドですか!?もう心が痛くて痛くて、、、 (2020年5月28日 18時) (レス) id: 5943b818e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:壱加 | 作成日時:2020年5月20日 15時