【ヴィランズ手下】あなたが居るならそれだけで

34　最終手段 ページ37

泣き止むと、誰かに声をかけられた。

アースラ「ひどい顔だね」
「アースラ様.......」

あの人だった。

アースラ「事情は知ってるさ。このままじゃあんたは消えちまうね」
「わかってます....」
アースラ「だからあんたにこれを持ってきたんだ。」

渡されたのは、銀のナイフ。

アースラ「これでジョーの想い人を殺すんだ。そうすりゃジョーは記憶を取り戻し、あんたに永遠の愛を誓うだろう。邪魔者はいない....あんたの理想通りってわけさ！」

スキャターを.....殺す？

アースラ「どうするかはあんた次第だよ。頑張りな。」

そう言って姿を消すアースラ様。

「そんなの.....」

だめだ。やれる自信がない。

その時、また誰かやって来た。

モルガナ「私のかわいい手下ちゃん」
「モルガ.......ナ...様」
モルガナ「あんたのことさ。殺すなんて出来ないだろうからね。」
「うぅ.....」
モルガナ「泣くんじゃないよ。ほら。」

モルガナ様が渡してきたのは黒とピンク色のツートンカラーの1つの小瓶だった。

モルガナ「これをどんな形であれあんたの想い人に飲ませな。そうすれば彼はもう一度あんたを好きになる。誰も殺さずハッピーエンドってことさ。まぁ、使うか使わないかはあんた次第だけどね！」

彼女も姿を消し、残ったのはナイフと小瓶だけ。

「どうしろっていうのよ.....!!!」

出てくるのは決断ではなく涙だけ。
私は、弱虫だ。


でも、１つだけ......考えがある。

どうせ別れるなら、最高に嫌われてやる。

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