【ヴィランズ手下】あなたが居るならそれだけで

35　おめでとう ページ38

【その日の真夜中】

スキャター「ジョーさん.....私も.....ずっと......！」
エイトフット「スキャター......！」

抱き合う二人。
あぁ、憎い。

私というものがありながら、他の女に行くなんて。
それでも貴方を愛した。

でも......私はもう決めてしまった。

エイトフット「待ってろ。アレ取ってくる」

ジョーが出ていったのを確認し、私は入れ代わりで部屋に入る。

スキャター「Aさん......？」
「『七つの泉には愛する人の面影だけど違う影がいつも写り込むの』.......お前さえいなければ......!!!!」

懐からナイフ取り出してスキャターに向けて、振り上げた────────瞬間。

エイトフット「てめぇ......！！」

鈍痛が肋骨辺りに響き、私は倒れ込んだ。
痛さからして一本くらい折れていても驚かない。

エイトフット「嫉妬に狂う女....オーシャンは女を見る目をどこに落としてきたのやら.....お前、自分が何しようとしてたかわかってんのか？」

ドスの効いた声。

あの女を庇うようにして立つあなた。
あぁ、もうそこに私のは入れる隙間はないのね。
希望から始まって絶望で終わる。
ははっ、なんておかしな話だ。

でも、これが私の絶望のなかで生み出した私にとっての......バッドエンドという名のハッピーエンド。

「あは、あははははははははははははははははッ」

笑った。
呵々大笑。

でも、涙が頬を濡らしていく。

ようやく冷静になると、私はできるだけ微笑む。


「私はずっと見守ってるから、あなたはどこかで笑ってて.......おめでとう、好きだった人」








私って、ほんとバカ

36　彼の好きな歌→←34　最終手段

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す