32曲目 ページ34
「部活か！そういや私部活なんもしてないや見に行きたい！」
「ふふ、じゃ行こっ…Aちゃん」
「ん？なんだ？」
名前を呼ばれ企画書から顔を上げると目の前に天祥院の顔が近くにあった
「うおっびっくりしたなに」
「…Aちゃんの無防備さはいつになったら直るのかな」
「えなに急に」
そう言って天祥院の手が私の顔に触れて少し驚いてしまった。
バタバタと地につかない足を動かす。
「ちょ近い」
「Aちゃん、散々人のこと子ども扱いしといて自分は何も言われないと思った？」
「なになになんの話？てか手、手邪魔」
突然の事でまた私はパニックになる
天祥院の顔は笑顔でその笑顔のせいで昨日の事がフラッシュバックして身構えてしまう
「じっとしてて」
「なっ！」
天祥院の顔が近づきぎゅっと目を瞑ると天祥院はぷっと吹き出し
「何してるのかなAちゃん？」
と笑った
状況が掴めず目を開けると天祥院の手にはクッキーのカスらしきものがあった
「え？」
「Aちゃん、ずっと口元に食べてたクッキーのカスがついてたよ」
「えうそ！？」
「子ども扱いよくするけど、Aちゃんだって年が一個上ってだけで子どもの部分あるよね」
天祥院がそう言って満足気な顔で私を見下ろす。
年下に”子ども”と言われて恥ずかしくなってきた
天祥院はいつにも見ない満面の笑みで仕返しをしてくる
「Aちゃんもまだまだ可愛い子どもだね」
「うるせぇっ！たまたまだから！たまたまだから！！」
「はいはい、じゃ、今度こそ行こっか部活」
「あっ待ってよ天祥院」
天祥院に置いていかれそうになり、慌てて机から降りようとしたらバランスを崩してしまった。
だけど地面にコケることはなく目の前にいた天祥院に支えられる。
「わわっ」
「大丈夫かい？Aちゃん今日は落ち着きがないね」
「う、うるさいな！”エイチ”にだけはからかわれたくないのに！」
天祥院に無様な姿を立て続けに見られたせいで、もう私の頭の中はパニックでしかない。
自分の顔が真っ赤なのがわかるくらい顔が熱い
「…やっぱりAちゃんには名前で呼んでもらいたいな」
「ん？」
「ねぇAちゃん」
「なに天祥院」
顔の熱を冷ますために手でパタパタと扇いでると手を天祥院に掴まれた
「どうして名前で呼んでくれなくなったの」
そう少し寂しそうな顔をして私を見る天祥院が居た
続く (更新停止中)
お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←31曲目
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 80人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ルナ | 作成日時：2022年4月16日 6時
