30曲目 ページ32
「ふむふむ」
「いかが…ﾃﾞｼｮｳｶ」
「そんな固くならなくて大丈夫だから」
アンズから受け取った企画書に目を通してる時に表情が動かなかったのかアンズは少し顔を青くしながら私の顔を見つめる。
そのアンズとは正反対に私の心の中はウキウキとしていた
「いいじゃんいいじゃん！ハロウィンパーティ！」
「ほんとですか！」
「うんうん！私居なかったけど七夕祭もアンズの企画したやつだよね？それ大盛り上がりだったんでしょ？あのケイちゃんの”ばっきゅ〜ん☆”見たかったな」
「蓮巳先輩のその情報をどこで……」
「天祥院」
そう、私がまだ引きこもってた時にやっていた『S1』の七夕祭。
そのS1は大盛り上がりだったと言うのは天祥院から休憩の合間に聞いていた。その七夕祭を企画･運営していたのがアンズということも。すっかり敏腕プロデューサーとして大活躍しているそうだ
「そうかハロウィンか…全く季節のこと頭に入ってなかったな」
「A先輩、大忙しですもんね」
「アンズ程じゃないよ。これ、天祥院に提出に行くんでしょ？私も一緒に行こうか？」
「予定は大丈夫ですか？」
「大丈夫大丈夫、どうせ天祥院に会おうとは思ってたし」
「はぁ…」
そう言うと天祥院と仲が悪いと知っているアンズはキョトンとした表情を浮かべていた。
「じゃ、行こっかアンズ〜！」
「わわっ！A先輩苦しいです！」
ぎゅっとアンズに抱きつきながら女子2人仲良く生徒会室へと企画書を持ちながら歩いた。
「うん、いい企画書だねハロウィンパーティ。アイドルもお客さんも仮装をしてカボチャのサイリウムを振る」
「あ、ありがとうございますっ！」
「さすがだねあんずちゃん。ところでAちゃんはさっきから何してるのかな？」
「ふぁんふこふぃひゃ」
「なんて？」
生徒会室に入りアンズが天祥院に提出している間に私は企画の当事者でもないのですぐ側にあったクッキーに手を伸ばして食べている。
ユヅルが用意してたのであろうお菓子、膝の上にトーリを乗せながらもぐもぐしているとケイちゃんが青筋を立ててペシっと私の頭を叩いた
「んんっひった〜！クッキー詰まるとこだったじゃん！」
「食うなそして食いながら喋るな、姫宮もだ」
「ええっボクも！？」
「あはは…」
「Aちゃんは本当に何しに来たのかな」
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作者名：ルナ | 作成日時：2022年4月16日 6時
