3曲目 ページ4
「ここか...えーと」
弟をキョロキョロ探していると声が響き渡る。
『お集まりの皆さん！お待たせしましたぁ〜、ついに【ジャッジメント】の当日だ！わはははは☆』
「レオ...！」
ステージ中央に居る私の弟...月永レオ
アイドルであり天才作曲家としても活躍している。
久々に顔を見たな……
『【ジャッジメント】ってのはつまり”Knights”の内輪揉めだ！内乱だ...☆』
久しぶりに見た実の弟は悪の顔って感じで黒くキラキラしているように見えた。
『おれが”Knights”の”王さま”！月永レオさまだっ！知っているひとはお久しぶりっ、初めましてのひとは覚えて帰れ！忘れてもいいぞっ、何度でも繰り返し刻みこんでやるよ！おれの名を！おれたちの物語を！わははははは……☆』
……やばい見ないうちに弟が別の意味で壊れちゃったのかもしれない。いや昔からレオは変わらない。なんとなくそう思える。
向かいの袖にKnightsの子達。
私は反対側からこっそりと見ていた。
一旦レオが戻ってきてステージの準備がされる
「...大丈夫かなこのステージ」
そう呟くと背後から聞きたくもない優しく私を地獄に落とした声が話しかけてきた。
「ふふっ、月永くんが2人居ると思ったら君だったかAちゃん」
「て……てんしょう……いん...？」
「Aちゃん昔みたいに名前で呼んでくれないんだね」
薄い黄土色の綺麗な髪がゆらっと揺れ綺麗な薄いエメラルドの様な目が私を見つめる。
「なんで居るの...なんでレオと同じ衣装を着てるの！！！」
「臨時ユニットで一緒にステージに上がるからね」
「なんであんたが臨時だとしてもレオと同じユニットなの！」
「月永くんが復帰してくれたことへのご祝儀だよ」
にっこりとしながら天祥院英智は続ける。
『Aちゃんの歓迎でもあるよ』
...と。
どうやら天祥院英智は私がここに来ること、そしてその後の事を見透かしてるように言った。
「なんのつもり……」
「おー？あれっA居るじゃん！」
「レオっ……！」
「やぁ、君がいない夢ノ咲学院は寂しかったよ、”王さま”くんに”
そう言ってまたニコニコと天祥院英智は私とレオを見る。
「君や”五奇人”が遊んでくれなくなってから僕はもう退屈で退屈で、死にそうだったよ」
ああ やっぱり私は天祥院英智の事苦手だ
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作者名：ルナ | 作成日時：2022年4月16日 6時
