25曲目 ページ27
｢朔間くん、なにしてるのかな？｣
｢それはこっちのセリフじゃのぅ天祥院くん。おぬし、付き合ってもないのにできたのかぇ｣
｢あれはAちゃんが悪いと思ってるから｣
｢おい天祥院ぶっ飛ばすぞおまえ｣
レイにA可哀想にと頭を撫でられナツメは背後から私に抱きついてきている。まるで天祥院を全力警戒してるかのようにナツメは力が入っていた。
｢夏目くんがAちゃんの事大好きなのは知っていましたが零くんもAちゃんの事好きだったんですね｣
｢はァ？センパイ、Aねえさんと零にいさんが付き合ってたことも知らないノ？｣
｢えっ！そうだったんですか！？｣
ナツメが呆れながら言うと青葉は驚き私とレイを交互に見た。
｢え、英智くん既に失恋していたんですね｣
｢つむぎってたまに本当に煽ってきているのかどうか分からない発言するよね。あと失恋してないけれど｣
青葉が心配した目で天祥院を見て天祥院がむっとした表情を見せる。
それよりも私は天祥院の失恋話が気になって仕方ない。
｢待って天祥院失恋してたの？笑けるんだけど誰？誰に恋してたの？天祥院？？｣
｢嘘でショ…Aねえさんこの状況で分からないンダ｣
｢Aはたまに頭が悪くなるからのぅ、これは少し天祥院くんに同情するわい｣
天祥院の失恋話が聞きたくて聞くけれど天祥院だけでなく青葉、ナツメにもレイもなぜか呆れられた目で見られる。
さっきまでの険悪ムードはいつの間にかどこかに行っていた。
その事に安堵しているとレイの指先がふわっと私の目元に触れていく。
｢A、クマがすごいのぅ。寝不足か？｣
｢あー…うん寝不足｣
｢ほう、なら我輩の棺桶を貸してやろう｣
レイにそう言われ自然と笑顔になるのが自分でもわかる。
レイの棺桶はどことなく居心地がいい。
「え、いいの？レイ！」
「Aとりちゅなら全然良いぞい」
「リツが聞いたら発狂しそうだね」
リツの嫌がる顔が目に浮かぶ。
あははと苦笑いでレイと話していると天祥院の声が横から聞こえ袖を引っ張られた。
「…Aちゃん、棺桶よりも保健室でゆっくり寝た方がいいんじゃないかな」
「やだよ、天祥院と同じ保健室常習犯になりたくないしレイの棺桶の方が寝心地良いもん」
「天祥院くんが棺桶で寝るかえ？Aは我輩がついていくからの」
「天祥院が棺桶で寝てたらシャレになんないよ」
レイと天祥院の目線がバチバチとぶつかってるように見える。
「ボクがAねえさんと一緒に行くヨ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 80人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ルナ | 作成日時：2022年4月16日 6時
