13曲目 ページ15
「うわ……忘れてた」
「Aちゃんどういう事かな？登校初日に授業をサボり昼の僕との約束も忘れていた……？」
「うっごめんって天祥院」
久しぶりのアイドル科の校舎が”懐かしく”なって色々あっちこっち行ってたら気づけば昼を過ぎていた。
目の前には仁王立ちで見下している天祥院英智。その隣で腕を組みながらため息をついているケイちゃん
「……A。貴様…普通科でもこうだったのか？」
「ちっ、違うよ！ケイちゃん！誤解だって！普通科はちゃんと……」
「Aちゃん嘘は良くないよ。君は普通科を抜け出して”アイドル科”に遊びに来てたじゃいか」
そう言われてドキッと冷や汗が出る。
突き刺さる天祥院の目線、やれやれとしているケイちゃん。
正座させられてる私に天祥院はしゃがみ目線を合わせた。
「……決めた。こんなことするならAちゃん」
「？……おい待て英智……！」
慌てて止めるケイちゃん。にっこりしながら私に話す天祥院
「”もう一度”君は”
そう言った天祥院の目は本気で私を少しバカにしたようだった。
天祥院は”過去の私”をもう一度見たいのだと付け加えた。
「……嫌だよアイドルはもう」
「Aちゃん、そうすれば今回の事は見逃してあげるよ？」
「英智、それは流石に……」
私の心臓はドクドクと音を立てていた。
「君が去年、
『今度は君の居ても問題ない居場所になったんだよ』
天使の悪魔の呟き
その言葉だけで私の心は揺らいだ。
「だけど、私は女で……」
「だから男装。なんでしょ？あと僕の言いたかった手続きの記入はこれの事だよ」
そう言って天祥院に書類を差し出された。
それに記入すればもう一度……
その後のことはなにも覚えていない。
私はいつの間にか
白い衣装を身につけていた
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作者名：ルナ | 作成日時：2022年4月16日 6時
