ジュッテの相棒

▽ ページ20

＿＿＿＿＿



Aと活動すると決まった時、我が家の偉大なるお姉様から口を酸っぱくして言われたことがある。


「月に一度、ヨジャは体調が悪くてメンタルがおぼろ豆腐になって恐竜みたいに暴れる時がある。でも仕方ないことだから。ビナあんた、Aの唯一のタメな訳だしサポートしてやるのよ。まあ、基本的に何されても腹立つんだけどねー」


どうしろと。

基本的に何されても腹立つ手負いの恐竜にどう寄り添ったらいいんだよ、と当時は途方に暮れたが、何年もAと過ごすうちになんとなく扱いは分かるようになってきた。


そもそも、活動に支障が出ないように諸々コントロールはしているみたいだから、メンタルも体調もよっぽどでない限りはブレない。


ただ今日みたいに爆弾低気圧がアンニョンする時は、不眠とストレスでAの中の恐竜もアンニョンするらしく。



「チャギ？(訳:弟たちばっか構わないでください)」

「チャギ(訳:ここに座って枕になってください)」

「チャギヤー(訳:おかずを譲ってください)」
　


ひどい時はこんなレベルになる。



HJ「ビニヒョンよくあのチャギの微妙なイントネーションの違いで分かるよね……」


CB「お前もわかるようになるよ。そのうち」



まあ、今は俺だけでいいけど。

向こうを見やると、俺が着てきたパーカーを頭から被って爆睡してるAがいた。こういう時は他のメンバーも何かを感じ取ってそっとしている。



HJ「さっき眉間に皺寄ってたからぐりぐりしたら猫の威嚇みたいに……シャーって……」


CB「今日はあまり触られたくないんだろきっと」



ヌナっ子なヒョンジニも今日は大人しくしてるみたいだし。



＿＿＿＿＿



今日もスケジュールを終えて、バンで宿舎に向かう。


「ビナー」


CB「んー」


「めんどくさくて、ごめんね」



急にしおらしいな。

そんなことないよ、でもないし(そんなことあるだろって不憫にキレられた過去あり)そうだね、でもないし(涙目くらいにはなるかも)……


こういう時は黙って頭を撫でとく。


お、今度は仰け反られなかった。


ソチャンビン、相棒Aのケアもラップに並ぶ特技の一つ。




.

クリスマスにはヨンボクを→←ソチャンビン、不憫　CB

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す