ヒーローは遅れてやってくる ページ13
「な、何で五条君がいんのよ!!」
「酷いなぁ、恋人のピンチと聞いてすっ飛んできたのに」
「なってない!!変なホラを吹くな!!」
僕の腕の中でじたばたと暴れるAさん。一見元気そうには見えるが、着実に異に体を乗っ取られ始めてる。
良く見れば肌が変色し始めている。
ふつふつと怒りが湧く。こんな状態になるまで追い詰めたAさんの兄や異、駆け付けるのが遅かった自分にも怒りが湧いた。
「Aさん。3分だけ待ってね。直ぐにやっつけちゃうから」
でも、殺しちゃうかもしれない。
そう言えば彼女の顔が青くなる。よく分からないが、兄妹の絆はきっと他人には測りきれないものなのかもしれない。だがそれでも此奴は呪術規定に基づいて殺されるだろう。
遅かれ早かれ処刑待ったナシだ。
「……五条君。お願い」
兄を殺して。
その瞳は真っ直ぐ僕を捕らえた。
「…良いんだね?僕は有言実行できるからね」
「いいよ。何方にせよ長兄はもう人には戻れない。それなら上に任せずに片付けよう。私も手伝うから」
「それはダメ」
「なんでやねん!!」
彼女の青い顔は一向に変わらない。実の兄を今から殺めるのだから当たり前か。
気丈に振舞おうと背筋はしゃんとしているのに、握り締めた拳は小刻みに震えている。
「そんな状態で戦いに出す訳ないでしょ。それにAさんまず術式使えないし」
「ッツ........」
「義兄さんは僕が何とかするからAさんは兎に角呪力に当たらないようにして。あと目を隠しといて」
「字の変換が可笑しいと思うけどそれは置いといて....なんで?」
「無意識かも知んないけど、異に身体乗っ取られ始めてる」
「は?」
「片付けたらそれ(異)も何とかするから」
目隠しを外し、双眼を長兄に向ける。成程、意識は辛うじてあるがほぼほぼ体の主導権は取り込んだ呪霊のモノになってるのか。そしてそれをあの人は気付いて無い状態。
「クソっクソっ何でお前がここに居るんダァ!!」
「えぇ?僕は基本自由人だからね。君も丁度いいでしょ?僕を倒せば君は最強になる。手間が省けていいでしょうが」
「ソレもソッカ。そーだナ。テマがハブけて丁度イイ!!」
一瞬で半身が網を掛けるように僕の周りを覆う。後ろで五条君!!なんて叫ぶ声が聞こえるけど。
「大丈夫だってAさん。僕最強だから」
振り向き微笑めば彼女と目が合う。
だけどそれも一瞬であっという間に僕の周りを半身が包んだ。
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数学(プロフ) - ぽんさん» ご指摘有難う御座います。先程外させて頂きました。気付いていなかったとはいえ、ぽんさん及び他の読者様に迷惑をかけてしまいました事、大変恐縮に思っております。 (2021年2月28日 14時) (レス) id: 854f7b158c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:数学 | 作成日時:2021年2月28日 12時