助け ページ12
その瞬間に半身が飛び出すように私に襲いかかる。寸でで避けるも、何処か体が上手く動かない。
「お前が俺に殺されて、俺を恨めば四宮の呪力と異の呪力、そして百々目鬼の呪力も俺に取り込まれる」
これで俺は呪術師最強だ。
幾らも来る攻撃を何とか避けるも、何度か体が動かなくなる。その瞬間に掠る傷から他の呪力を感じ取る。
何なのよ。何でこんな事になるの?
四方道開によって声が聞こえなくなった百々目鬼は大丈夫なの?
異はどうして私の体を乗っ取らない?
身体は少しづつ疲労を貯めていく。
「早く喰われてくれよ?お前が喰われて俺が最強になれば四宮家は呪術界で永遠に名を残す。それは四宮家にとって最上の誉だろ?」
「それは、汚点って、意味でしょうが!!人を殺して得た力なんて!!真の強さなんて、言わないんじゃないの!?」
「良くそんな事言えるなぁ。碌に体内の化け物を操れない出来損ないが
…それに少しづつ動きが鈍くなっているな。異がお前を取り込もうとしてるんだよ。外堀から埋めるというやつさ」
その言葉で体が動かない理由を理解する。異もこれが絶好の機会と分かってる。
だが今はそんな事関係なかった。
「うるっさいわね!!こんなモン初めから欲しくなかったし、死んでも願い下げよこんな化け物!!ふざけんじゃないわよ!!」
兄の無神経な言葉に思わず言い返してしまう。
誰が、誰がこんな力欲しいと願う。
これのせいで一族は狂った。
両親は死んだ。兄は死んだ。狂った。
政略結婚もさせられかけて、後輩にも迷惑をかけて。
逃げるように生きなくてはならなくて。
こんなモノ、こんなモノを引き摺って生きるぐらいなら。
どうせなら。
「死んだ方がマシよ!!」
そう叫んだ途端何かが私を抱き抱えた。何かは分からない。目を塞がれてしまった。
唯1つ分かるのは兄よりも大きな呪力を有しているという事だけだった。
「酷くない?Aさん。何かあったら俺に頼るって約束だよね?何で頼ってくれないの?」
声が聞こえるが、思わず?が浮かぶ。
何故、何故ここに居るんだ。あんなに突き放したのに。
「な?!何故お前がここに!!」
「愛しい人がピンチだと思ってね。…君がAさんのお兄さん?お兄さんの癖に妹にあんな言葉吐かせたんだね」
何で君(五条君)が来るんだ。
「覚悟しろよ。死よりもおぞましい事を教えてやる」
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数学(プロフ) - ぽんさん» ご指摘有難う御座います。先程外させて頂きました。気付いていなかったとはいえ、ぽんさん及び他の読者様に迷惑をかけてしまいました事、大変恐縮に思っております。 (2021年2月28日 14時) (レス) id: 854f7b158c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:数学 | 作成日時:2021年2月28日 12時