111話 記憶喪失の原因 ページ26
説明を終えた風戸が会議室を出て行くと入れ替わりに高木と千葉が入ってきた
高木「佐藤さんの手術終わりました
弾はなんとか摘出されましたが、助かるかどうかは微妙だそうです……」
目暮「そうか……」
高木の説明に目暮は険しい表情で肩を落とした
すると、たまりかねた安室がバンッと机を叩きながら立ち上がった
安室「目暮警部!こんな事になってもまだ話してくれないんですか!?」
目暮は難しい顔をしてうむ……と小さくうなるだけで話そうとしない
安室はイラつきが増し、また机を叩いた
安室「白鳥警部!貴方も知ってるんでしょ!?
教えて下さい!」
安室がイラつく
だが、白鳥は下を向いた
白鳥「……犯人は我々の手で逮捕します」
ここまで来ても頑として口を開こうとしない2人に安室は「クッソォ!!!」と机を叩いた
すると、コナンが「ねぇ、千葉刑事」と、声をかけた
コナン「トイレに落ちていた懐中電灯の指紋は調べたの?」
千葉「ああ、でもAさんの指紋しか見つからなかったよ」
「「「「え!?」」」」
コナン、安室、凛夜、秋夜は驚いて同時に声を上げた
千葉「僕達はてっきり懐中電灯を取っていたのは佐藤さんだと思ってたけど、実はAさんだったようです」
千葉の言葉を受けて英理は「そうだとすると…」と冷静な声で言った
英理「Aちゃんは自分のせいで佐藤刑事が撃たれたと思ったはずだわ」
小五郎「じゃあ、そのショックのせいか!A君が記憶を失ったのは…」
小五郎は険しい顔で俯いた
安室(A……)
まさかあの懐中電灯を取ったのはAだったとは安室もコナンも思いもしなかった
目の前で佐藤刑事が撃たれそれが自分のせいだと思ったAは自責の念に押しつぶされその絶望から逃れようと自らの記憶を閉じ込めてしまったのだ
安室(僕が…無能だから…!)
大切な人を守れなかったという思いに安室は握り拳を作りワナワナと震えさせた
いつもならこんなに取り乱したりしない自分に疑問を覚えつつAを思った
コナン「安室さん」
安室「!なんだいコナン君」
コナン「大丈夫?少し休んだ方が」
顔色が悪いよ、とコナンに言われて安室は大丈夫だよと返し椅子に座り両手を組んで頭を手に乗せた
いつもなら冷静に判断し的確な指示を出す自分がどこに行ったのかと思いながら必死に思考を張り巡らせた
Aの記憶喪失の原因が明かされた会議室では重苦しい空気が流れていた
目暮「…………全て話そう」
最初に口を開いたのは目暮だった
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2018年5月24日 21時