おもちゃ箱【×ym】 (ページ12)

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「名前つけてもらった～？」

「まだだよ」

「どんな飼い主さんなの？」

ネズミのユーリが心配そうに聞いてくる。

ユーリは、冷静で毒舌な時もあるけど、実際は誰よりも心配性で優しい心の持ち主なんだよね。

「めちゃくちゃ美人さんだよー、もう、すぐ飼って欲しくなっちゃって訴えちゃったよ…えへへ」

「女の人？」

イヌのユーヤは興味津々。

「女の人だったら俺も会いたい～！」

ネコのケイなんて体をくねらせちゃって。

もう、…2人とも女の人大好きなんだから！

ユーリはそんな2人を呆れたように見ている。

「女の人じゃないよ。…男の人だけど、本当に美人だったんだ。」

さっき俺の顔を覗き込んだ飼い主さんの顔を思い出す。

さらさらとした白い肌、

零れ落ちそうな瞳、

綺麗な鼻筋、

薄く開く唇、

……今まで僕を覗き込んだ誰よりも美しかった。

こんな人に連れて行ってもらったら、どんなに幸せだろう。

「ウサギ、幸せそう」

「うん、僕、今すごい幸せだよ」

「たくさん、愛してもらうんだよ」

ケイの優しい声が耳に溶ける。

僕はにっこり微笑んだ。

そろそろ朝になる。

もう戻らないと…。

「じゃあね、また」

「俺ももう寝る～」

ユーリとユーヤの画面が暗くなる中、

「ケイ…、どうしたの？」

少しだけ真剣な顔をしているケイ。

珍しい彼の表情に僕は少し緊張する。

「…ウサギ、この秘密はバレないようにね？」

「うん…もちろん」

そう言うと安心した表情になり、ケイの画面も暗くなった。

さて…僕もそろそろ寝るかな…。

そう思い立ち上がった次の瞬間_______________

カタン…ッ

背後で物音がして。

「ゆうと…っ！」

甘い声で呼ばれ、僕は後ろから抱きしめられた。

「え…っ」

「戻ってきてくれたんだね…ゆうと…っ」

_______________……ケイ、ごめん。

約束、秒で破っちゃった………_______________。

ペットたちの報告会 fin.