今度は指にして？【arym】 (ページ45)

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山田side

俺らが顔をあげて声の主を見ると、同い年くらいの女の子

有「ああ、はい。そうですけど……」
「やっぱり！あの、めちゃくちゃかっこよかったです……っ！！」

……むぅ

俺の方が先にかっこいい大ちゃんを見たし

かっこいいなんて前から知ってたし

なんて思うけど……

その子と大ちゃんが話しているのを見ると、

やっぱり女の子には敵わないのかもしれないと思い、自分が男であることが嫌になる

俺なんかより全然声が高くて
スタイルも良くて
動くたびに甘い匂いがして
ふわふわの髪は触り心地がとてもよさそうで

全てが女の子らしくて

ああ、こんな子が大ちゃんのタイプなのかも……

知念だってとても可愛いし

そりゃこの子は知念には敵わないと思うけど←

でも、きっと、

大ちゃんの隣にいたのが知念だったら
この子は話しかけなかっただろうと思う

俺だから、

大ちゃんの隣にいたのが俺だったから

大ちゃん達が楽しそうに話してる横で俺は1人暗い気持ちになって

無意識にきゅぅっと大ちゃんのワイシャツを掴んでいた

有「？山田どした」

そんな大ちゃんの問いかけに答えられなくて

なにも言わず首を振れば

優しく俺の頭を撫でて

有「すみません、ロミオ見てくれてありがとうございました。じゃあ俺たちはこれで……」

そう言って俺の手を握り、席を立ち上がる大ちゃん

そんな動作のひとつひとつに俺の心臓は跳ねて

なんだか今だけ大ちゃんの1番になれた気がして

さっきまで死ぬほど落ち込んでいたのに、
優しくされたらすぐに舞い上がっちゃう、
そんな自分にめんどくさいなって思いながらも

彼女より自分を優先してくれたことが純粋に嬉しかった