今度は指にして？【arym】 (ページ7)

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有岡side

翌日、学校に行くと山田くんがもう教室にいた

有「おっはよー！山田くん！」

昨日、初恋の人に出会った俺は上機嫌に挨拶をした

山田くんはびくんっと肩を震わせて、俺を見上げ
山「あ、有岡くん……、おはよ」
あの柔らかい声で挨拶を返してくれた

有「ね、山田くん聞いてよ！俺、昨日ずっと片思いしてた初恋の子に会っちゃってさ！」

どうしても誰かに言いたくて仕方なかった俺は誰もいないのをいいことに山田くんに話してしまう

山田くんはまた驚いたように俺を見上げて、ぇ、と小さく声を漏らす

俺は思いのほか興味を持ってくれたっぽい山田くんに嬉しくなってどうしてそうなったのかの経緯を説明する

有「指輪をね、渡したんだぁ！まあ、おもちゃのなんだけどね？笑」
山「おもちゃの、指輪……」
有「そう！それで分かったの！知念くんが俺の初恋の人だって！」
山「知念……が……」

山田くんの表情はまったく分からないが、なんだか声色が少し悲しそうだった

有「んね、知念くんってさ好きな子とかいる？聞いたことある？？」

山「んーん、俺らそういう話まったくしないから……ごめんね？」

そっかあ、と残念そうにしていた俺に気づいたのか山田くんは
山「じゃあ聞いとこうか？」
と言ってくれた

有「え！いーの！？まじでっ！やった！ありがとう」

これでいたら涙もんだけど、まだ希望を捨てるな俺！

有「俺の話ばっかしちゃってごめんね？山田くんもなんか俺にできることあったらゆってね？？」

山田くんはふるふると首をふって
山「気持ちだけで嬉しいよ、大丈夫」

あ、でもと言って
山「有岡くんのこと、大ちゃんって呼んでもいーい？」

え、なにその可愛いお願い

有「全然大丈夫だよ！むしろ呼んでほしい！！」

激しく頷くと山田くんは初めてふふっと笑い声をもらした

そして俺らは、知念も含め、とても仲がよくなった

未だに知念との進展はないが、山田は俺の相談にたくさんのってくれる

知念のことも大好きだが、山田に相談しているふたりっきりの時間もとても楽しくて大好きだ