薬指の印(arym) ページ8
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「やまって、迫られると弱いよね」
俺に怪しい笑みを浮かべた裕翔は、怪しい言葉を吐き、楽屋は向かう廊下を颯爽と歩いていった。
「は?」
裕翔の言葉の意味がわからず、ゆっくり考えながら楽屋に戻ったのがいけなかった。
「ゆ、裕翔…っ、やめてってば…!だいちゃ、来ちゃ…っ」
「大丈夫だよ、だいちゃんならさっきスタッフさんと話してたから。」
「…ぁああ…っ、やだ、ゆ、と…っ!」
………なに、これ。
中から聞こえるのは裕翔と…紛れもない俺の恋人の声。
しかも、スタッフと話してたなんて嘘だ。
…裕翔の野郎、嘘、つきやがって。
怒り任せに目の前のドアノブを捻っても良かったけど、なぜだか怖くてそんなことできなかった。
「ゆ、と……っ、だいちゃ、にばれちゃ……っ!」
「やまがもう少し声抑えてたらいいんだよ?」
裕翔を求める声は、俺が昨日の夜まで聞いていた声で。
昨日までは確かに俺を求めていたはずなのに。
…………裕翔の方がいいのかな。
俺って………心は狭いし、独占欲は強いし、年上のくせに余裕なんてないし。
これ以上この場にいたら、自分が駄目になる気がして踵を返した。
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海月(プロフ) - みのすけ。さん» こんばんは。リクエストありがとうございました! (3月15日 2時) (レス) @page33 id: a20ce45547 (このIDを非表示/違反報告)
みのすけ。(プロフ) - 久々にリクエスト失礼します!この短編集の1の方にあったありやまとたかいののお話(海のシーンがあった方のやつです)の続きがみたいです!もしよければお願いします! (2021年2月16日 17時) (レス) id: 56294afed2 (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - 海月さん» 最高です。 (2020年7月18日 21時) (レス) id: e8758513e7 (このIDを非表示/違反報告)
海月(プロフ) - いちごさん» ありがたいお言葉すぎます...!!せみおくん、あんな感じでよろしかったですかね?? (2020年7月18日 16時) (レス) id: a20ce45547 (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - 告白しますね。好きです。海月さん。 (2020年7月18日 16時) (レス) id: e8758513e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:海月 | 作成日時:2020年6月21日 12時