33 ページ33
答えを求めて苦しみ足掻く唯の弱い人間。
Aは生きる理由どころか愛すらも知らずに必死に他人に答えを求めていた。
これだけがAの闇じゃないだろう。
太宰もそうだった。
何らかのきっかけでそいつの心の扉が開きその中から何かが顔を出しても、その蓋は5分の1も見せずに閉ざされる。
あの兄にしてこの妹だな。
「俺が知りてェよそんなもん。」
俺の返答にAはきょとんとした表情になる。
「恋だの愛だのの概念は全く知らねェ。手前への気持ちが一般的じゃなくても、俺は自信を持って手前を愛してると云える。
手前みたいな奴を生半可な気持ちで好きになってたまるかよ。」
Aは暫く口を開けて呆気に取られていたが、気でも狂ったのか腹を抱えて笑い出した。
「ほんっと…中也さんって最高。自分がどれだけ恥ずかしい事云ってるかわかってる?」
「おう。手前みたいな奴に惚れた俺をぶん殴りてェ気持ちだよ。」
Aは笑いながら俺のもとへ歩いてきた。
口許に僅かな笑みを残し、何の迷いもない瞳で俺を捉える。
「中也さんが私の事を本気で好きってわかった。だから__
__私も本気にさせて。」
その宣戦布告、受けて立つ。
「いいぜ。」
679人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
フューズ(プロフ) - 恋する中也さんがめっちゃ可愛いです!これからも更新頑張って下さい! (2018年3月8日 23時) (レス) id: 533c8db921 (このIDを非表示/違反報告)
太宰中也 - 読むの楽しいです!頑張ってください! (2018年3月7日 20時) (レス) id: 73affc4735 (このIDを非表示/違反報告)
ともか(プロフ) - 続編おめでとうございます! また読めるとなりとても嬉しいです! (2018年3月7日 12時) (レス) id: 80eb368801 (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - 続編おめでとうございます!完結したのかと思ってたんですが……続きがあるなんて……!これからも頑張ってください! (2018年3月7日 7時) (レス) id: 198a7174c6 (このIDを非表示/違反報告)
ネイラ(プロフ) - 続編おめでとうございます!更新される度に読ませていただきました!とても面白いです。これからも頑張ってください(*^^*) (2018年3月7日 7時) (レス) id: 21338af0ae (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:にちか | 作成日時:2018年3月7日 1時