中原幹部と家出少女。【文スト】

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ミミックなど飛ばします。


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「織田作が死んだ…？」


兄の口から出たその言葉にはあまりにも現実味がなく、信じるのに時間がかかった。


最期に逢った織田作はいつも通り私の話を静かに聞いていた。


__そうか。私達の生きる世界はこういうものだった。昨日隣に居た者が今日も居るとは限らない。


“太宰を頼む。”


「織田作が云っていたよ。」


兄の哀しそうな顔は初めて見た。


私も兄に哀しそうな顔を初めて見せた。


「私はマフィアを辞めるよ。Aは？」


「__勿論、お兄ちゃんについていくよ。」


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「お兄ちゃんの事頼まれたのに、何やってんだろね、私。」


彫られた文字をなぞりながら話しをする。


「でも今回の事はお兄ちゃんが絶対に悪いよ。妹と心中なんて莫迦でしょ。」


若し織田作がここに居れば、そうだなって相槌を打ってくれるんだろうな。


幽霊の類は信じていないが、若し織田作が幽霊として現れたら沢山の事を話すだろう。


「今日はこれぐらいにして。じゃあまた来るよ。」


立ち上がり服についた草を払って顔を上げた。


「げっ…」

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