最低 ページ25
「倫、今日バイト」
角名「ごめん、今日行けそうにない
久しぶりに家族がこっち来るらしくてさ」
「おー了解した！楽しんで」
部活頑張ってね！と手を振って帰った
あれから少し経って、梅雨の香りも薄まってきた頃
倫の部活終わる時間と私のバイト終わる時間がちょうど被る為、倫は言葉通り迎えに来てくれた
倫が堺さんに会ったあの日から、逆に私が堺さんに避けられてるから良い感じ
と、思ってたんだけど
『Aちゃんごめん…今日ちょっとはやあがりさせてもらってもいいかな？レポート終わってなくて』
「全然大丈夫ですよ〜！お客さんももうあんまり来ないと思いますし！お疲れ様です」
『ほんとありがとう〜！彼氏さん迎えに来るのに』
「あ、今日用事あるらしくて来ないんですよ！だからだからです！」
『ほんと？よかった！気をつけてね』
じゃ！と手を振る大学生の先輩に一礼して厨房に入る
堺「あれ、あいつは？」
「レポート終わってないみたいで、帰りました」
堺「了解〜」
店終いの準備を始めようか、とお皿を洗浄機に入れていく
堺「…ねえねえ」
「？はい」
堺「Aさ、胸でかいよね」
「…はい？」
堺「育てたの彼氏？」
「あはは…」
堺「あ、わかった。A、純粋そうに見えて実は結構遊んでるでしょ」
「ご想像にお任せします〜」
気持ち悪、まじで
堺「てか彼氏さ、束縛強そうだよね」
「そんな事ないですよ」
堺「嘘だ〜！あと性癖歪んでそう」
めちゃくちゃ好き勝手言うな、この人
「…あんまり言われると、ちょっとむかつきますよ」
堺「あは、ごめんごめん！
Aちゃんってもっとこう、見るからに紳士な人が好きそうだからさ」
「めちゃくちゃ偏見ですね」
堺「そう？例えば俺みたいな人とかさ」
「…えっ、」
パッと堺さんの方を向いた時だった
堺「彼氏、今日来ないんでしょ？」
ゆっくりと私の顔に堺さんが近づく
逃げようと胸もとを抑えても、強い力で手首を掴まれてグイッと引き寄せられた
堺「こんなとこ、彼氏に見られたら最悪だね」
「っ、や」
唇が重なり合って、抵抗しようと顔を背けようとしたらガシッと後頭部を掴まれた
「〜〜離し、」
て、と言い終わる前に舌が捻りこんでくる
うわ、久しぶりだなこの感覚
堺「ね、今日俺ん家来ない？」
「、お先に失礼します」
最悪、ほんと最悪
袖でゴシゴシと唇を拭いて、更衣室に駆け込んだ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 117人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：イオリ | 作成日時：2020年8月12日 23時
