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目を開けるとそこには白い天井。
……ここ、保健室?
そうだ、私体育館で急に目の前真っ暗になって…。
…それからどうしたんだっけ?
まだちゃんと働かない頭のままボーッと考えていると、友達が心配そうな顔をして私を覗き込んだ。
『A…!大丈夫??からだ辛くない?』
「…大丈夫だよ、心配かけてごめん…それより私、どうやって保健室に来たのか思い出せないんだけど…」
『たまたま体育館で審判やってた黒尾くんが運んでくれたんだよ!!』
黒尾くんと聞いた瞬間、私を運んでくれたという驚きとか感謝とかよりも先に大事なことを思い出し、私は飛び起きる。
「まって、今何時?!バレーの試合は??」
『…今もう昼過ぎだよ。バレーの試合はもう始まってる』
友達のその言葉を聞いて、まだ終わってないなら途中からでも、と思いベッドから降りる。
『ちょ、A急に動いたら危ないよ…!』
「わかってる、でも…」
私はたまらずドアを開けて走り出した。
でも今まで寝ていたのに急に走るもんだから、友達の言う通りふらついて足がもつれた。
「…おっと、危ねぇ。大丈夫デスカ?」
私が転びそうになると、誰かが支えてくれた。
声でもう誰かわかる。
「…黒尾くん」
「…って、高瀬さんじゃん。もう体調大丈夫なのか?倒れたばっかなのに急に走ったら危ないだろ、ほらコレ」
そう言ってスポーツドリンクを私に渡してくれる。
いつもなら黒尾くんの優しさに感動するところだけど、今はそんな余裕がない。
「…黒尾くん、試合は?」
「…さっき終わった。俺らのクラス優勝デスヨ」
それを聞いて私は思わずうずくまる。
「……終わっちゃったの…?まだ私ちゃんと応援できてないのに…」
「…ん。高瀬さんが応援してくれてたのは海から聞いてるし知ってる。けど、昨日も今日も暑いのに頑張りすぎたんだろ。保健室の先生が熱中症だって言ってたぞ」
だからこれ飲んでとりあえず元気取り戻しなさい、と言って黒尾くんは私と同じ目線に屈んでスポーツドリンクを私の頬に当てる。
…確かに色々あって水分摂るの忘れてた…。
けど、私は黒尾くんの応援がしたいから頑張ったのになぁ。
悲しくなって何も言えずにいると、黒尾くんが口を開く。
「…じゃあ、次のリレーそこの窓からでいいから見ててよ。俺は高瀬さんに見てて欲しい」
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すめし(プロフ) - 黒瀬将哲さん» うわあ〜〜〜〜〜しばらく更新できてないのにも関わらず暖かいコメントありがとうございます(;;)(;;)そう言っていただけて嬉しいですありがとうございます!!!! (2021年5月16日 22時) (レス) id: 3fd1cc3a0e (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬将哲(プロフ) - めっちゃ好きなんです。。。この作品!!!更新楽しみにしてるんで、無理しないように頑張ってください!! (2021年5月8日 18時) (レス) id: 933fb2550f (このIDを非表示/違反報告)
すめし(プロフ) - ぴよさん» ぴよさん!!またコメント頂けるなんて、嬉しくて泣きそうになりました…毎度暖かいお言葉ありがとうございます!!!これからも頑張れます〜〜〜(;;) (2021年3月27日 16時) (レス) id: 3fd1cc3a0e (このIDを非表示/違反報告)
ぴよ(プロフ) - 2回目のコメント失礼します。投稿お疲れ様です。すめしさんのお話を見ていつも楽しませてもらってます...!!これからも応援してます!大好きです! (2021年3月27日 7時) (レス) id: ebdd1925d4 (このIDを非表示/違反報告)
すめし(プロフ) - たおさん» うわあ〜〜〜〜〜〜一番大事なところ間違えてましたご指摘ありがとうございます!!!!!!!!修正しました!!!!m(_ _)mそして嬉しいお言葉ありがとうございますそれを聞いて私が元気もらいました。。更新頑張ります!!!! (2021年2月19日 22時) (レス) id: 3fd1cc3a0e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すめし | 作成日時:2021年1月15日 21時