0 ページ1
私の名前は、風間A。
普通の公立中学校に通う3年生である。
これから、なんと雄英高校を受験します。
遡ること一年前…
2年生の三学期。もうすぐ、クラス替えが近づいてきた頃だった。
先生との面談で
「風間さんの良いことを生かせる高校選びが大切です」
と言われた。
私は、それはそれは勉強だけが取り柄の人間だった。
別に、個性も弱いし…特別な才能…とやらは微塵もない。
強いて言えば、親が教育熱心で、私の学力をメキメキ上げるため、早い段階で塾やら英会話教室やらに行かされたことが、私にとっての唯一のアドバンテージだった。
おかげさまで、それなりに勉強に対する免疫が付き、勉強に対する苦痛を人一倍感じにくくなっていった。
そして、中学生になり、学年の中で頭がいいことで有名になるくらいには成績が良くなった。
先生は、懇談で
「雄英高校はどうかな、風間さんの学力はもちろん、何事にもひたむきに取り組む姿勢。きっとここで生かせるよ」
中学2年生の段階で高校の話をするのにもびっくりしたが、そんなふうに私を見ているとは思わなかった。
そこから、親もその気になり私の受験生活がスタートした。
もちろん普通科に進学という方針だったが、どうせなら『ヒーロー科』を目指そうということで…いわゆる特訓をしていくことになった。
体力作りから、個性の精度を上げることまで…
私は流されるまま、出された課題をこなしていった。
しかし、人にはある程度の限界があるわけで、だんだんとしんどくなっていった。
それもそのはず、名門校でありトップレベルの高校だ。並の人間は、志がないとポッキリ折れる。
私は、親に雄英高校は諦めたいという旨を伝えた。
しかし、親は「高いハードルを飛ぼうとすることで低いハードルが飛べる。今、諦めるのは早い。」
と、言った。
まあ、それを言ったのは中3になったばかりの頃だったので、突っぱねられるのも当たり前だ、
しかし、私もここで食い下がるわけにはいかず、説得を続け、せめて「普通科を受ける。ヒーロー科は受けない。」という、方向にシフトさせようとした。
けれども、親の意向は変わらなかった。
ヒーローになるにはそれなりの個性が必要だ。
自分の個性はあまりにも平凡だ。
また、始まる『日常』。
私はそんな日々を送り続け、そのまま時は進み__________
「今に至るというわけだ。」
私は、ボソッと呟き、止めていた足をようやく進めた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 203人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
スパゲッティ(プロフ) - もりさんへ コメントありがとうございます！！！！！そう言っていただけて、本当に嬉しいです！！！！末長く見守ってください！！！ (1月1日 12時) (
レス) id: b7c2ae5cf5 (このIDを非表示/違反報告)
もり - 面白いです！更新待ってます！！ (12月31日 22時) (レス) @page43 id: 9b7538881a (このIDを非表示/違反報告)
スパゲッティ(プロフ) - 美音さんへ コメントありがとうございます！！！！復活したので、これからモリモリ頑張ります！！！ (12月7日 15時) (レス) id: b7c2ae5cf5 (このIDを非表示/違反報告)
美音 - 更新頑張ってください！！！！応援してます (12月4日 9時) (レス) @page42 id: 6e3a47796c (このIDを非表示/違反報告)
スパゲッティ(プロフ) - しんどぇさんへ ありがとうございます！！！！お陰でようやく次の話かけました！！！！ (9月2日 18時) (レス) id: b7c2ae5cf5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みかん | 作成日時：2023年5月13日 23時
