マジですか? ページ3
とにかく、がむしゃらに走った。
後ろを少し見ると、奴らがもうそこまできていた。
ヤバい。
俺の人生の中でぶっちぎりでヤバい!!
追いつかれる!
その時、並木の葉っぱが俺の頭を掠めた。
そして、
〈振り返るなよ〉
__声がきこえた。
それってどういうこと?
聞きたかったけど、怖くて目を瞑った。
ドサッ!!
轟音、そして
「あぁぁァあぁ!!」
悲鳴。
振り向くな、振り向くな、振り向くな!!
自分に必死に言い聞かせ、走った。
〈こっちに逃げろ〉
〈そっちには待ち伏せがいる〉
〈足止めしてあげる〉
犬が、木が、草が、花が、虫が、
俺を逃がそうとしてくれた。
〈ここまでくれば、大丈夫だよ〉
頬に優しく、蝶が触れた。
「はぁ…はぁ……俺んち。」
__正確にはアパートだ。
だが、そんな事どうでもいい。
急いで部屋に入った。
ひとりきりの部屋の静寂が破られる。
「俺…生きてる。」
不覚にも、泣きそうになった。
すると、カバンがもぞもぞと動いた。
「あぁ、ごめん。入れっぱなしだったね。」
カバンを開けると、やはり美しい黒猫が出てきた。
「…にゃ。」
「説明してもらいますからね。」
軽く八つ当たりするように、首根っこを揉みながら聞いた。
〈巻き込んでしまって、ごめんなさい〉
シュンとしても、可憐で。
なんか…守りたい感じがする。
「あいつら誰ですか。ヤバい組織なんじゃ__。」
〈そうだよ〉
〈彼らはポートマフィア〉
〈狙われて無事な人は、あまりいないの〉
マフィア!?
それって、現実にいるのかよ!?
〈包帯で黒コートが、太宰。太宰治くん。〉
「へ、へぇ。」
いや、名前とかどうでもいいけど、
「そ、それじゃ、君は何で追われてたの?」
〈私もポートマフィアの一員だったから〉
__ん?
〈元幹部〉
んー?
〈涼風よ。これから、よろしくね〉
「あ、Aです。」
…よろしくしたくねーよ!
俺の叫びは、胸の中に消えた。
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sayakafujino30(プロフ) - 面白かったです!!!更新頑張ってください。応援しています!下に終わりって書いてあるのですが、続きが気になります!もう終わりでしょうか....? (2017年10月28日 10時) (レス) id: 16a7c15423 (このIDを非表示/違反報告)
悠(プロフ) - 。さん» あ、本当ですね〜。ありがとうございます!気づきませんでしたw (2017年2月2日 18時) (レス) id: b93d36a99a (このIDを非表示/違反報告)
。 - 黒いコート(太宰)…じゃないでしょうか?マフィアの時は黒のイメージ(笑 (2017年2月2日 2時) (レス) id: e61b383b69 (このIDを非表示/違反報告)
悠(プロフ) - かなとさん» ありがとうございます。先生時代難しいです(´・ω・`) (2017年1月31日 17時) (レス) id: b93d36a99a (このIDを非表示/違反報告)
かなと(プロフ) - 国木田さん(●´ω`●)之からも更新頑張って下さい! (2017年1月31日 16時) (レス) id: 024d735d7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:悠 | 作成日時:2017年1月29日 12時