3話「好奇心の若様」 ページ4
私の名前は、七々扇 時雨。若様のお付きである。
若様は大財閥、剣家の跡取りであることから、私が使いになった幼き頃から頭脳明晰で、何事にも心を乱さず、冷静に的確な判断をしてこられた。
そんな若様を私は心から尊敬しており、お慕いしている所存だ。
しかし、今の若様は、今までにないくらいに悩んでおられる。私はずっと若様の表情を見てきたが、あんなに険しい表情の若様は見たことがない。
そんなに若様にとって、サッカーは特別なものなのだろうか。
確かに、若様は幼き頃からサッカーに興味を持ち、何よりも熱心に取り組んでいた。
私も、サッカーをしていたときの若様の表情は、生き生きとしていて、一番輝いていたと思う。
冷静沈着であまり表情を出さなかった若様が、年相応に楽しんでいる表情を見ると、とても嬉しかったものだ。
『・・・わかった』
若様は、何かに言い聞かせるようにそう言い、趙金雲に向き直る。
考え事をしていた俺は、若様の言葉ではっと我に返った。
・・・えっ、若様⁉それはどういう意味のわかったなのですか⁉
「わ、若様っ?」
俺は、少し焦りながら、そう問いかけるも反応ナシ。
・・あっ。
俺は、察してしまった。
この顔は・・・好奇心の表情だ。若様の久しぶりの好奇心が出てきてしまった。
頭を抱えたときにはもう遅い。
『その志、受け取った。』
4話「若様、日本代表と対面する」→←2話「若様、日本代表になる」
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riko(プロフ) - 見てくれて、ほんとうにありがとうございます。頑張ります! (2018年11月22日 5時) (レス) id: 9c0b71dfd3 (このIDを非表示/違反報告)
月(プロフ) - 主人公の名前、性格、設定すべて好みです!文章の書き方とかも丁寧で…とても面白かったです。続き楽しみにしてます。更新頑張ってくださいね! (2018年11月22日 0時) (レス) id: f01d23ed14 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:riko | 作成日時:2018年11月19日 20時