ねぇ、お兄ちゃん

嫌なこと7つ ページ7

不覚にも、本当に不覚にも泣きそうになった
もう兄のことはお兄ちゃんと呼ばないと決めていたのに、萩原さんの一言でその決意が簡単に揺らいだ

「…私に気を使わないでください」


「嘘じゃないよ、全部本当のこと」


「そんな訳ないじゃないですか、タチの悪い嘘はやめてください」


嘘だよ、そんな訳ない、だって兄は私の事あれだけ嫌っていたから
鈍臭いし、恥ずかしい妹だって
だからそんな訳ない


「もし仮にそれが本当だったとしても、兄は私のことを妹だと思ってはいないですから」


「そっか」



それ以上、萩原さんは兄について何も言わなかった
察してくれたのだろう、私たちの仲がどれだけ歪でもう元通りになることは無いのだと



「そうだ、今度合わせたい人がいるんだ」


「もしかして、同期の方ですか？」


「よく分かったね。たまに君にメッセージを送っていた松田ってやつ」


「あぁ、あの人のメッセージはよく覚えてます…」



宛先

降谷A
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
お前、降谷の妹か？
降谷の腕時計解体したら超ぶん殴られた
理由分かるか




なんてメッセージが来て何だこの人ってなった
腕時計を分解？？？？？？殴られた？？？
なんで私にその理由聞くんだろってずっと疑問に思った


「兄と松田さんは中が悪かったんですか？」


「まぁ犬猿の仲ってやつ？最後は仲良くなってたけどね」



「、萩原さんと兄は仲良かったんですか」


「うーん、まぁそれなりには？」



「じゃあ私萩原さんと仲良くなれませんね」




「なんで？？？？」

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